会見であっさりと自分の“創作”を認めた知事
斎藤知事は7月24日の記者会見で、外部への情報提供も公益通報になるとの指摘に対して「いろんな考え方はあると思う」と一蹴し、「今回は(県窓口への)公益通報前に当該文書が配布された。文書の内容は明らかに核心的なところを含めて事実と異なる内容が多々含まれる。虚偽、誹謗中傷性のある文書だと捉えて調査をさせていただいた。内部調査の結果、そういった文書であると認定された」「懲戒処分は適正に対応した」と繰り返した。
だが、牛タン倶楽部がにらみを利かす県人事当局と知事が「事実と異なる」と主張しても、“被疑者本人”が否定しているというだけの状況である。彼ら自身は真偽を判定する立場にないだろう。
斎藤知事の3月の会見で注目されるのは、「Aさんが虚偽の内容の文書を作ったことを認めた」とし、それは「不満」があったからだと断言したことだ。
この2点は生前のAさんの主張と明らかに食い違う。7月24日の記者会見で「集英社オンライン」の記者が問いただすと斎藤知事はこう答えた。
「確かあの文書自体を作成したことは本人(Aさん)も認めているという報告を受けていたと思います。そこは分けて考えとく必要があると思います。
私としては、虚偽内容が多々含まれている文書だという認識。そして、本人は文書を作ったということを確か、人事課もその当時、当時文書の作成自体は認めてたんですよね」
「Aさんが文書を作ったことを認めた」という事実と、知事の「虚偽内容が多々含まれている」との主張を組み合わせて「ありもしないことを縷々並べたような内容を作ったっていうことを本人も認めてますから」と言い切ったというのだ。
さらに、Aさんが不満をもっていたと言及した根拠を問うと「私としては、当該文書っていうものが事実無根の内容が多々含まれているっていうことですから、それはやはり、様々な不満があるんだということを、あの、当然推定した、ということですね」と、あっさりと自分の創作であることを認めた。
Aさんが“虚偽だと認めた”“不満を持っていた”とする知事の2つの発言は、Aさんを不満分子に仕立て上げる印象操作の最たるもので、ほとんどの関西のマスコミはこれに乗せられて告発を取り合わない事態になった。