ハバネロの約2倍の辛さ

この製品を食べたことがある激辛料理専門家でフードアナリストの金成姫(キムソンヒ)氏に「18禁カレーチップス」のパウダーに多く含まれるブート・ジョロキアなる唐辛子の辛さについて聞いた。

「とくに辛い唐辛子として有名なハバネロは聞いたことがあるかもしれませんが、ブート・ジョロキアを唐辛子の辛さを量る単位“スコヴィル値”で説明すると、ハバネロの約2倍だと言われています。

また、ブート・ジョロキアの耳かき一杯分は鷹の爪コップ一杯分にも勝るとか、ブート・ジョロキアに比べたら他の唐辛子なんて朝食に食べるシリアルみたいだとか、いろんな言われ方をするほどです」

“食べる手榴弾”の異名を持つ唐辛子、ブート・ジョロキア
“食べる手榴弾”の異名を持つ唐辛子、ブート・ジョロキア

そんな金さんも「18禁カレーチップス」を食べる際には事前に“準備”をしているという。

「私はハバネロ以上の辛い物を食べる時は必ず牛乳やヨーグルトなどを胃に入れて保護します。この『18禁カレーチップス』もそうです。体調を壊さず万全に辛味の旨みを感じたいからです。水では辛さは引かないし一時しのぎでしかありません。未知の辛さと向き合う時のセッティングは絶対に欠かせないのです」

パッケージ裏には11項目にわたる警告文も
パッケージ裏には11項目にわたる警告文も

金さんは今回の報道を受けてこう述べた。

「正直、このような刺激物はアルコールと似ています。急激に許容範囲を超える量を接取すると胃痙攣や急性胃炎、咽頭炎などを起こすこともあるからです。私の知り合いの激辛仲間ですら下痢を発症し点滴を打った人もいるほどですから」

激辛好きの金さんは、今回の事態によって「『激辛=悪』のように捉えられるのだけは我々フリークからしたら悲しいことだ」と言う。やはり前述したように「辛さに向き合うには準備が必要」ということなのだろう。

だが、今回の騒動で「18禁カレーチップス」に注目度が集まり、商品が売られる都内の複合雑貨店ではこんな声もあがった。

「今日の昼過ぎから『18禁カレーチップス』に関する問い合わせが増えて、1個1100円(税込)と決して安くはないんですけど、あっという間に売り切れました。18禁とはいえアルコールのように年齢確認があるわけじゃないし、小さいお子さんが買いに来たとしても止めることはありません」