外来受診された患者さんの症状例

化学物質過敏症は、重症気管支喘息、薬剤アレルギー、食物アレルギーといった重症アレルギーと誤診されやすい疾患であることは触れました。

そうした意味からも、アレルギー疾患を専門とするアレルギー科医が化学物質過敏症に精通することが、誤診や診断遅延、過剰治療を回避し、化学物質過敏症であると適切に診断をくだすために重要であると考えています。

とは言っても、アレルギー科医はオールマイティではありません。化学物質過敏症の多岐にわたる症状すべてを診られるわけではなく、アレルギー科以外の専門の診療科との連携は不可避です。

写真はイメージです
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そこで、アレルギー科を中心として、内科(大人を診ることが多い呼吸器内科医が主体)、小児科、皮膚科、耳鼻科、眼科で実際に外来受診され、最終的に化学物質過敏症の診断に至った症状は具体的にどうであったか、何に一番困っていたのか、外来患者さん像と言えるものを紹介しましょう。

症例はケースバイケースで、すべての患者さんに共通して同様の結果を示すものではありませんが、その中に少しでも思いあたることがあれば、「もしかしたら私も、化学物質過敏症の疑いがあるのではないか」と認識しやすくなるかもしれません。