「借金を返済するのに、今のこの暮らしのままだと何も変わらない」
「私、出身は静岡です。東京の大学を卒業した後、会社員もしばらくさせていただいて、コロナ禍のさなかの2020年から赤坂のバーで店長をやっていました。その後、22年末に今のお店を見つけて始めたんです」
そう語る内野氏は現在、中野区内でバーを経営するママだ。バー店内で取材に応じた内野氏は政見放送のような甘ったるい口調ではなく、普通の口調だ。
「NHK党の立花さんは赤坂のお店でお客さんとして知り合い、こちらのお店にも来てくださるようになったんです」
その立花氏率いるNHK党は知事選で24人の候補者を立て、掲示板ジャックを進行中。内野氏はこの24人のうちの1人として、NHK党側に300万円の供託金を負担してもらい出馬した。
ポスターには課金制SNSに誘導するQRコードが載せられ物議をかもしているが、これも党にお任せだという。
「誘われたのはほんと最近、5月の中旬です。『愛里ちゃん、都知事選、出ん?』みたいな。(笑)。立花さんはポスター掲示板ジャックのため30人くらい擁立したいけれど『若い女性がいない』って言うんです」(内野氏)
最初は「知事選出るのはさすがに、みたいな感じだったんです」というが、なぜ気持ちが変わったのだろう。
「去年の秋にカードショップを始めたんですけど、それがすっころげたんですよね。
立花さんは『(選挙の)お金は心配しなくて大丈夫』って言うし、もともと舞台に立たせてもらったりしたこともあるので、求めてもらっているならやってみよう、と。
借金を返済するのに、今のこの暮らしのまま何も変わらないと、本当にただお金を返していくだけの生活になっちゃうなって思ってたので」(内野氏)
カードショップ経営でできた借金を返済するため、名前を売って新たな仕事のオファーを呼び込もうと知事選出馬を決めたというのだ。そんな内野氏の“選挙戦略”を描いたのも立花氏だという。
「政見放送でインパクトのある文言を出そうとなって出てきたのが『カワイイ私の政見放送を見てね』。立花さんが言うには『愛里ちゃん、かわいいからな。このかわいさがちょうどええねんって(笑)。60点の可愛さ』みたいな(笑)。
まあ世間から見て、(自分は)めちゃくちゃ可愛いっていう感じではないんです。分かるんです。どちらかというと小動物とか、ワンニャンみたいなかわいさ、そういう感じだと思うんですよ」(内野氏)
このコンセプトに“脱ぎ芸”も加えて政見放送のシナリオが練られたというのだが…
「どういうのがいいんですかねと聞くと、立花さんは『名前を連呼したらええんや』みたいな。『愛里は上着とか脱いだらええんちゃう?水着とかなったら』とか言われて、水着はヤだなって思って。
で、みんな『ハダカ、ハダカ』って言ってるけど、チューブトップ着てるから個人的には上着を脱いだだけ、みたいな気持ちなんですよね(笑)。ええ、脱ぐのは立花さん(の発案)です。立花さんは敏腕プロデューサー、“政界の秋元康”なんで」(内野氏)
しかし、チューブトップを着ていてもヌードを想像させる演出だったのでは?」とたずねると
「ハダカっぽく、っていうのも立花さんのアイデアだし、私もどうせやるんならそうしようって思ってました」と否定はしない。
非難が出ていることには
「暑くて上着脱いだだけなのにね。でも『どう? セクシーでしょ?』って言っちゃったからだと思うんですけど」と、つかみどころがない答え。「やりすぎた、とか、マズいことをしたとの気持ちはないのか」と聞くくと「いや、もう、役を演じた気持ちでやってたんで」
と話すのみだった。