大腸ポリープは大腸がんの9割を占める
症状6:大腸の閉塞による腹痛
がんが肛門近くのS字直腸にできると、便が通れなくなるため便の形が細くなり、やがて便が詰まってしまい、腸が閉塞し腹痛を引き起こします。こうなると初期症状とはいえないのですが、慢性的な便秘で気が付かず、腹痛が激しくなって、ようやく大腸がんと気づくという場合もあります。
症状7:お腹のしこり
がん細胞は硬いため、横になって力が抜けた状態でお腹を触ると、硬くしこりになっているのがわかります。脂肪があると触ることはできませんが、お腹のしこりとして現れるのも大腸がんの初期症状だと覚えておいてください。
症状8: 大腸ポリープ
大腸ポリープは大腸にできる「いぼ」のような隆起性の病変です。放っておくと、がん化してしまい大腸がんの9割を占めると言われています。また大腸ポリープは粘膜ではないので、便があたるとポリープから出血しやすくなります。なので、赤い便が排出されたら、大腸ポリープができている可能性があります。
大腸ポリープが見つかった場合はなるべく早く手術で取り除くことで、大腸がんのリスクを下げることができます。
以上8つの初期症状のどれか思い当たるようなら、医療機関を受診してください。
また、大腸がんの予防ですが、食物繊維の摂取、適度な運動が予防につながると言われています。つまり健康的な生活習慣が大切です。
さらに大腸検査を受けるようにしましょう。
人間ドックで、便を採取するだけで受けられる便潜検査を受けるようにしてください。便を2日分採取し、便に血液が混じっていないかを検査します。痛みや体への負担がない検査なので、受けるようにしましょう。
検査の結果で便に血が混じっている場合や、今回挙げた症状があるときは大腸カメラ検査で大腸ポリープがないか、大腸がんがないか調べます。大腸ポリープがあれば、すぐに取り除くことで大腸がんのリスクは軽減します。
大腸がんは早期発見、治療することが大切です。
今回挙げた8つの初期症状の中でも特に便は見て判断できるので、便の異常を見逃さないようにしましょう。
取材・文/百田なつき