翻訳アプリで交渉

6月24日午後9時すぎ。記者が大久保公園を訪れると、この日も多くの女性たちが立ち並んでいた。見たところ10代後半~20代がメインで、ゴスロリ風のミニスカートに厚底ブーツを身に付けている”地雷系ファッション”の女性が多い。

大久保病院とは反対側の路地と、そこからホテル街へ向かう路地には、20人近くの女性たちが客待ちをしていて、それを品定めするかのように男性たちが歩いている。
 

その多くが中年のサラリーマンや、冷やかし目的で訪れたのであろう若者グループだが、なかには外国人と思しき男性の姿もポツポツと目に入る。

3人組の南アジア系の男性たちは、立ちんぼにしきりに近づいていき「Excuse me.How much?」と声をかけている。また、欧米系の外国人たちは缶チューハイ片手に、日本人男性が立ちんぼと交渉する姿を見て笑っている。

冷やかしで訪れる外国人グループも(撮影/集英社オンライン)
冷やかしで訪れる外国人グループも(撮影/集英社オンライン)

その一方で、東南アジア系の外国人は、立ちんぼの一人に近づいていき「look look(見て見て)」と言いながら、自らのスマホ画面を指さしている。

すると女性は、なにやら文字が書かれたスマホ画面を男性に見せて、顔色をうかがう。しばらく経つと交渉がまとまったのか、2人はラブホテル街へ向かって歩いていった。

この状況について、立ちんぼ歴5年のサキさん(仮名・20代)はこう語る。

「去年くらいからかな? 明らかに日本語がわからない外国人観光客が増えたから、ああやってGoogle翻訳アプリで交渉してきたり、『How much?』とか英語で話しかけられるようになったんですよ。

実際に私も、外国人とやり取りする機会が増えたからちょっとだけ(英語を)話せるようになりました。

でも、欧米系の人たちは冷やかし目的ばかりで、本当に買ってくれるのは中国やフィリピン、インド系の人たちが多いかな。こういうのもアレですけど、大久保公園ではグローバル化が進んでますよ(笑)」