ヴィンテージTシャツで人気のバンドは?
「つねに安定して人気があるのはニルヴァーナです。あと急激に最近、価格が上がっているのがレッド・ホット・チリ・ペッパーズの、1990年代に作られたTシャツ。彼らは2年ぐらい前からツアーでずっと世界をまわっているでしょう?
そうするとライブ会場にレッチリのバンドTを着ている人がいっぱいいるから、そこに目を引くレアなヴィンテージTシャツを着てライブに行きたくなるんです。ここ2年でレッチリが一番値上がりしてますね。
アーティストが亡くなった場合に値段が上がると思われますが、それがそうでもない。たとえばラッパーのDMXという方が亡くなりましたけど、じゃあ、値段が上がったかというと、あまり上がらなかった。
半面、オフ・ホワイトのデザイナー、ヴァージル・アブロー(のちにルイ・ヴィトンのクリエイティブ・ディレクターも兼任)が亡くなったときに、ナイキとオフ・ホワイトのコラボスニーカーの値段は上がったんですよ。これはヴァージルが亡くなったから、今後オフ・ホワイトのコラボは出ないだろうというファンの心理からですね。
そもそも1990年代のTシャツはもう再生産されていないので、アーティストが亡くなっても絶対数は変わらないから、あまり変化はないんです」
「映画Tシャツで言えば、『パルプ・フィクション』や『ファイト・クラブ』が人気あります。何十万円もするTシャツを買われる方って、僕の体感で言えば35歳から50歳くらいなんですが、その方々が昔、VHSで見て感動した映画ですね。単館上映のような映画というか、名作と呼ばれていて今でも人気のある映画です。
『タイタニック』とか超メジャーな映画はTシャツの生産数も多いですから、あまり高くはならないんですよ」