ポスターの内容を把握していないNHK党
警視庁が問題にしたのは渋谷区内に貼り出されたポスターだ。
「知事選には56人が立候補しましたがうち24人はNHK党関係者で、同党はポスター掲示板の張り出しスペースのほぼ半分は自分たちが使えるスペースだとして、選挙とは何の関係もないポスターを貼り出しています。
今回警告対象になったのは『女性がイキやすい環境作りを』をうたい文句に、若い男の顔写真と風俗店のウェブサイトに誘導するQRコードが印刷されており、ピンクチラシそのものです」(社会部記者)
NHK党が、党に寄付すれば都内約1万4000ヶ所に設置される掲示板のうち1ヶ所で24枚分のスペースに好きなポスターを貼る権利を譲るとウェブサイトで宣伝していることは#1で既報のとおりだ。
掲示板1ヶ所あたりの寄付金額という名の「料金」は、5月末までに払えば5000円、6月1日~19日は1万円。告示の20日からは「2万5000円~」とウェブサイトに記されている。
「ウェブサイトには『あなたのオリジナルポスター24枚を貼ってみませんか?』との誘い文句が書かれ、犬の写真が多数貼られた掲示板の前で立花氏が宣伝する動画がアップされています。
立花氏は、税金の無駄遣いとなっている掲示板をやめるべきだと訴えるために今回の手法を取ったと説明していますが、告示翌日の21日の会見では『都知事選で、頭の中はこのポスターをいかに売るか……』とも口にしており、現金収入が目的で大量の候補者を立て、掲示板をジャックしたとみられても仕方のない状況です」(社会部記者)
こうして販売されたポスター枠を巡っては21日の会見の時から、問題の風俗店ポスターが話題になっていた。
「女性向けの風俗のポスターがあると記者に指摘された立花氏は『ほう、そんなのがある? 場所教えていただければはがしに行きます』と返答。
問題があるポスターははがすのか、と再度確認を求められると『われわれ側も把握できないものがあるので、情報提供いただければ直ちに確認の上、はがします』とも発言していました。“把握できないもの”が掲示板に貼られているって、ヤバくないですか?」(社会部記者)
結局22日になって警視庁が風俗店の広告宣伝規制に違反するとして警告し、NHK党は同日夜には風俗店ポスターを撤去している。
「掲示板に貼り出すポスターの内容については、公職選挙法上はほとんど内容に規制がなく、選挙管理委員会は介入できません。
今回、あまりにも露骨だったので警視庁が風営法の適用をちらつかせてやめさせたわけですね。
しかしNHK党が売った枠に貼られているポスターにはほかにも、出会い系サイトへ誘導するQRコードが載っていたり、個人攻撃やヘイトスピーチをまき散らす内容のものがあったりするとの指摘がSNSで噴出しており、これだけで済むかどうかはわかりません」(警視庁担当記者)