大人と同じ世界を見せられ、生きづらさを感じる子どもたち

なぜ若い女性たちはここまで容姿にこだわるのか。その風潮をより強めた背景には、SNSの発達がある、と竹田氏は説明する。

「中高生の間で流行っているTikTokやインスタグラムといったSNSのタイムラインでは、大人が見るようなコンテンツも子どもたちに表示されています。つまり子どもたちは幼いうちから“大人たちの美の基準”に触れており、インフルエンサーを自身と同一視してしまうということが社会問題になっています。

写真/shutterstock
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欧米では“セフォラ・キッズ”というトレンドが問題視されていて、これはZ世代の下の世代であるアルファ世代(2010年代序盤から2020年代中盤にかけて誕生した世代)の12歳以下の子どもたちが『セフォラ』をはじめとする化粧品店で、アンチエイジングの化粧品などを購入するといった現象です。

このように今の子どもたちは大人の美の基準にとらわれることで、子どもが子どもらしくいられる時期は少なくなってきています。つまり大人と子どもの境界線が曖昧になりつつあるんです」

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――ウォニョンのような“完璧”なKPOPアイドルの台頭は、若い世代にポジティブなメッセージを伝えると同時に、その美の基準を誤ったベクトルに押し上げてしまっているともいえるのだ。

取材・文/瑠璃光丸凪/A4studio