ワークマンの一般向けウェア・グッズに品切れが多い理由

SNSで話題のウェアやグッズがワークマンの店舗で品切れだった経験はないだろうか?これにはフランチャイズ主体のビジネス特有の問題が関わっている。

フランチャイズ加盟店は、独立した法人が運営を行なっている。先ほどワークマンは卸売業に近いという話をしたが、まさにフランチャイズ加盟店は本部から仕入れを行なっているのだ。
加盟店オーナーとしては、たとえ売れ筋商品があっても在庫が山積みになるリスクは避けたい。必然的に仕入れの量は抑制気味になる。身銭を切るのだから当然である。

ワークマンのホームページ(公式ホームページより)
ワークマンのホームページ(公式ホームページより)

品切れ対策として、本部がECに力を入れればいいのだが、ワークマンは基本的にフランチャイズオーナーを儲けさせて稼ぐビジネスモデルだ。売れ筋商品でバンバン広告を打って本部が儲けようものなら、加盟店オーナーから反発を食らうのは必至なのである。

フランチャイズ主体で店舗を拡大する場合、直営に比べて在庫コントロールが難しい。品切ればかりで消費者の失望を買う可能性もある。

実はこれまでのワークマン女子のモール内出店はすべて直営だった。店舗運営会社への業務委託という形ではあるが、仕入れの自由度は高かったはずだ。しかも、ワークマンは女性向け衣料の拡大を狙っている。増収に向けたサポートは十分に行なっていたはずだ。

それにも関わらず、2024年3月期におけるワークマン女子の既存店の売上高は、前期比11.1%の減少だった。既存店はオープンから一定期間が経過した店舗を指し、集客しやすい新規開業効果が効きづらいため、実力を把握しやすい。

これが経営陣の懸念する、リピーター化が課題だというものだ。