多摩図書館ならではのマニアックな雑誌を探索

閉架書庫を案内してくれた職員の方と別れた後、一般開放されている閲覧室と開架書庫の雑誌を一人で見て歩くことにした(開架書庫への入室には、出納カウンターで入館証の番号を記入し、バッチをもらう手続きが必要)。

多摩図書館は、我々が書店やコンビニで日常的に目にするような一般誌はもちろんだが、それだけではなく、直販方式で販売されるニッチな専門誌や業界誌、機関誌、研究誌、地方誌、学会誌、フリーペーパーなどまで、定期刊行物であれば幅広く収集の対象としている。

実は僕が多摩図書館に行くときは、そうしたマニアックな雑誌を見るのが主な目的。

内容は極めて専門的であり、僕のような門外漢が読んでもちんぷんかんぷんなものばかりだが、雑誌タイトルや表紙に並ぶ特集名を眺め、ページをパラパラっとめくったりしているだけで、さまざまなアイデアやインスピレーションにつながるのである。

1階にある開架書庫は、カウンターに申し出れば誰でも入ることができる
1階にある開架書庫は、カウンターに申し出れば誰でも入ることができる

いつ行っても新しい発見がある多摩図書館だが、今回も数々の魅力的な雑誌に遭遇した。

各誌に敬意を表し、簡単にではあるがご紹介しよう。
 

『捜査研究』東京法令出版 月刊
悪質、巧妙、複雑化する犯罪に対応すべく、複眼的観点からアプローチする新時代型犯罪捜査専門研究誌。

『BE-KUWA(ビー・クワ)』むし社 季刊
図鑑以上とマニアから高い評価を受けている、クワガタ・カブトムシの総合情報誌。

『包装技術』日本包装技術協会 月刊
包装に関する知識及び技術の普及推進に努める公益社団法人日本包装技術協会の機関誌。

『アルトピア』カロス出版 月刊
アルミニウムに関する総合誌。タイトルは「アルミニウム」+「ユートピア」の造語で、“アルミニウムが創る新時代”を表す。
 

『心霊研究』日本心霊科学協会 月刊
「心霊現象の科学的研究を行い、その成果を人類の福祉に貢献すること」を目的に創立された公益財団法人が発行する機関誌。

『船長』日本船長協会 不定期刊
一般社団法人日本船長協会が発行する船長のための機関誌。

『ミルククラブ』中央酪農会議 季刊
牛乳・乳製品の知識や、酪農に携わる人、モノ、コトなどについて、多彩な視点から情報を発信している日本唯一の酪農専門フリーマガジン。

『さとうきび』スタルカ 年2回刊
暮らしの中のさとうきびを考える、人文自然科学総合雑誌。生産者、消費者、研究者、学生へわかりやすくさとうきびの魅力を伝える。
 

『トライボロジスト』日本トライボロジー学会 月刊
「トライボロジー」とは、摩擦・摩耗・潤滑のこと。日本トライボロジー学会(日本潤滑学会より改称)の学会誌。

『愛石』愛石社 月刊
1983年創刊の『愛石の友』を前身とする水石情報誌。キャッチコピーは「なにがなくても石があれば良い」。

『公民館』 全国公民館連合会(第一法規発売) 月刊
公民館関係者のための国内唯一の機関誌。公民館運営に関する専門的な論文や実務的・技術的な解説、各公民館等での活動例など話題を豊富に掲載

雑誌世界の奥深さ、感じていただけただろうか。

雑誌よ永遠に
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取材・文・写真/佐藤誠二朗