懸念される“脂漏れ事故”への対策とは
「alli」については、飲み始めるとすぐに起こるある現象が喧伝されていて、それを知って避けている人も多いのではないかと思う。
ここからやや尾籠な話になるが、とても大事なことなのでどうかご容赦を。
服用すると摂取した脂肪の25%が、体外へ排出されるというのが「alli」の主な効果。では“排出”とは具体的にどういうことか。
まあお察しの通り、お尻の穴から出てくるのである。
脂は基本的に便と一体化して出るが、それだけではなく、厄介なことに単独行動で出てくることも多い。
これがなかなかすごい話で、液体の脂は隠し砦の番人(肛門ね)による守りを突破し、ぬるりと出てきやすく、知らぬ間に下着を汚してしまう“脂漏れ事故”となりやすい。
僕が「alli」を購入した際、薬局の薬剤師さんからそのことを散々聞かされ、“軽度の便漏れパッド”なる商品を、サービスで3枚つけてくれた。
パンツに貼り付けて、脂を受け止めろということである。
さらに「初めて服用する日は、くれぐれも外出のない日にしてください。けっこう漏れるようですよ」と注意された。
かわいらしい薬剤師さんに真顔でそう言われると、なんだか少し恥ずかしかった。
そして服用を始めた途端、確かにすごい勢いで脂が排出されるのを体験した。
ただし僕の場合、いつも自宅で仕事をしているフリーランス野郎であり、外出する際もマイカーばかりで、電車などの公共交通機関はほとんど使わないため、幸いなことに脂漏れ“事故”には至らなかった。
脂が出口に向かって体内を降下しているときは、便意とは違う(が、とても近い)感覚が頻繁にあったが、そのたびに10歩で行ける自宅のトイレに駆け込み、事故を防いだ。
特に飲み始めて間もない頃は、(あ、来た)と感じてから限界に達するまでの時間がとても短く、あっという間にのっぴきならない状態になった。
これは確かに、通勤時間などが長くトイレにすぐ行けない人は、厳しいだろうなと思う。
まあ、そんなときのための便漏れパッドがあるのだが。
そして、トイレで排出され水の上に漂う脂はどういう感じなのかというと、これがもうびっくりするくらい“ラー油”にそっくりである(尾籠な話はこれで終わりなのでご勘弁!)。
この脂、トイレの水に落とせば臭いはほとんどしないが、ネットに出ていた脂漏れ体験者の話によると、便臭とは違う脂っぽいイヤな臭いがするという。
僕の場合は「alli」服用開始から2週間では体重も腹囲も変化がないけど、脂の排出は順調に続いている。
飲み始めて数日で排出コントロールもお手のものになり、きちんと出し切ってから外出できるようになったので、QOL的にも何の問題もない。
「alli」服用は日常の一部になりつつある。
あとは効果が出るのを待つばかりだが……。まあとりあえずはこの一瓶がなくなるまで服用を続けてみたいと思う。
大事なことを飛ばしていたが、この「alli」、1ヶ月分の90カプセル入りで8800円(税込)となかなか高価な薬なので、できれば早めに決着をつけたいと思うしだいなのである。
文・写真/佐藤誠二朗