「(店を)取られるくらいなら、こっちから取ってやるか」
関根容疑者と一緒に飲んだこともあるという上野の同業者は、関根容疑者が「(店を)取られるくらいなら、こっちから取ってやるか」と口にしたのを聞いたことがあると証言した。
宝島さんと関根容疑者の関係は相当緊張していたことがうかがえる。捜査本部は、こうした状況が事件の背景にあり、関根容疑者が宝島さん夫妻の殺害も主導した疑いがあるとみて調べている。
ただ、近隣の飲食店経営者は、最近、関根容疑者が主導して開店した新しい店で、幸子さんと関根容疑者が一緒に接客をしていた姿を目撃している。
当初、店舗間での客引きを巡るトラブルからライバル店の経営者や従業員の周辺捜査をしていた捜査本部は、上野の飲食店業界からの情報でサンエイで内紛が起きていたとの情報を把握。
ゴールデンウィークに入る前の4月下旬には世田谷区の閑静な住宅街にある関根容疑者の自宅周辺に捜査車両を配置し、静かに動向を追っていた。
捜査が一気に動いたのは連休最終日の5月6日。夕方4時ごろに近所のマンション駐車場に複数の捜査車両が停められ、約7時間後の午後11時にミニバンが関根容疑者の自宅があるマンションの玄関先に移動。その後、捜査員が次々と現れ家宅捜索が始まった。
そして一度地下駐車場に入ったミニバンは午後11時半ごろに出てきて走り去った。関根容疑者は自宅で逮捕されており、このときミニバンに乗せられていたとみられる。
家宅捜索はその後も約4時間続き、7日午前3時半すぎに終了。玄関前につけられたワンボックスカーには、段ボールとプラスチックのケースが次々と運び込まれた。
経営権争いが宝島夫妻の殺害にまで至ったのか。捜査は主犯格である可能性が高い関根容疑者への強制捜査で一気に大詰めを迎えている。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
X(Twitter)
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部