自民党政権を放置することの危険性

安藤氏は自民党政権が国民を舐め続けている現状を、今後も放置することを危険視している。

「自民党は憲法改正を進めており、その中で“緊急事態条項”を憲法に入れようとしています。緊急事態条項が設けられた場合、戦争や災害などの緊急事態において、国会や裁判所の承認なしに法律と同じ力を持つ政令を出せるようになります。ただの政令ではなく、財産権や移動の自由といった国民の権利を制限する強い政令を出すことも可能です。

さらには、選挙を停止して政権を永続的に維持したりなど、強力な権限が耐えられるため、選挙で政権を倒すことさえ難しくなります。『緊急事態条項は海外でも珍しくない』という声もありますが、今の自民党政権下で緊急事態条項が設置されると、地獄のような未来がやってくるでしょう」

衆院東京15区補選の公示ポスター 撮影/集英社オンライン編集部
衆院東京15区補選の公示ポスター 撮影/集英社オンライン編集部

オンライン署名の影響力

いかに現政権を放置することが危険なのかがわかった。しかし、国民の猛反対を押し切ってインボイス制度が施行されたことを思えば、国民の声だけでは政府を動かすことが難しいように思われる。どうすれば政府は国民の声を聞くようになるのだろうか。

「オンライン署名はイマイチ実態が見えないために、それこそ政府が舐めている印象を受けます。やはりデモのように目に見えるかたちで、政府に異を唱えるアクションは有効です。とはいえ、オンライン署名も徐々に影響力を持つようになってはいます。
だからこそ、岸田首相の事務所は当初は署名の受け取りを拒否していたものの、最終的には直接受け取りました。オンライン署名で異議を唱える、ということを継続することにより、政府の暴走を止める選択肢を一つ増やすことができます」

SNSで声を上げたり、オンライン署名をチェックしたりなど、政府に舐められない国民にならないと未来は必ずしも明るくない。

取材・文/望月悠木