国民の生活がわからない、おぼっちゃま議員たち
とはいえ、野党の声が国民の声というケースも珍しくない。国民の声に耳を傾けなければ、それこそ選挙で勝つことは難しくならないだろうか。それでも国民を無視して適切な政策を講じようとしない背景として、「国民の生活をイメージできていない議員が多いことが大きい」と解説する。
「小泉政権時にエリート層の人たちを中心に入閣させ、そうした人たちを中心に政策を決めたことが定着して現在に至ります。エリート層は庶民の生活レベルはわかりません。加えて、最近の国会議員は二世、三世が増えています。当然、両親や祖父母が議員だった人は都市部で豊かな環境で育った人が多いため、やはり私たちの生活に思いを馳せることはできません。そのため、国民の苦しみを理解できず、適切な政策を検討することさえないのです」
このまま国会議員がエリート出身の議員、二世議員ばかりになってしまうことはリスクが高いのかもしれない。国会にこそ多様性を持って、そこにさまざまな人材を送り込む必要がありそうだ。
支持率アップのための最適解
他にも、与党議員は国民を舐めていることが大きいと安藤氏は指摘。その原因として自身の議員時代を振り返りながら口にする。
「私が議員だったころを考えると、頭の中が選挙でいっぱいいっぱいの与党議員が多かったです。時間をかけて国民のためになる政策を地道に議論するより、それっぽいきれいごとをいったり、アメリカの偉い人と一緒に写真を撮ったりなどしたほうが票につながると考えています。その手法で今日まで政権を維持しているため、その傾向が変わることはないでしょう」
4月中旬に日米首脳会談のためにアメリカを訪れ、その後バイデン大統領とのツーショットを自身のSNSに投稿していた岸田首相。その“成果”なのか、朝日新聞が4月20~21日に実施した世論調査によると、内閣支持率は26%(3月調査22%)と微増した。
Heading to dinner w/ @POTUS & @FLOTUS.
— 岸田文雄 (@kishida230) April 10, 2024
バイデン大統領夫妻との夕食会に向かう車中での様子です。 pic.twitter.com/FEfQWcnUVg
安藤氏が指摘する通り、能登半島地震の被災地に行ったり、物価高に苦しむ国民を救うための政策を議論したりするよりも、外国人のビッグネームと一緒に写真を撮るほうが支持率アップにつながるのだという。