骨粗鬆症の薬でかえって骨折しやすくなる!?
高血圧や高血糖自体を、薬を使って一時的に改善したとしても、それが本当に健康長寿につながるのかどうかは、実ははっきりとはわかっていません。
だから、頭がぼーっとするとか、ふらつくといった症状を我慢してまで、薬で無理に血圧や血糖値を下げる必要はないのではないかと私は思っています。薬を飲み続けることで血圧や血糖値が「正常値」になったとしても、他の症状に苦しめられるのだとすれば、果たしてそれは「正常」なのかという疑問も残ります。
薬というものに絶対的な信頼を寄せる人はとても多いのですが、高齢になるほど副作用が起きやすくなることは絶対に忘れてはいけません。
例えば歳をとるとどうしても深い睡眠が減るので、夜中に何度も目が覚めるようになります。それが嫌だからと睡眠薬を飲む人は多いのですが、最近睡眠薬として処方されるのはその大半が睡眠導入剤なので、寝付きはよくなっても、眠りが深くなることはありません。
だから睡眠薬を飲んだとしても夜中に目が覚めることには変わりないのです。つまり、本来の目的は果たせないので、睡眠薬を飲むことにたいしたメリットはありません。
ところが睡眠薬の中には筋弛緩作用が働くものが多く、足がふらつく原因になります。実際、睡眠薬を飲んでも結局夜中に目が覚めて、トイレでも行こうと立ち上がったら、ふらついて転倒するケースは珍しくありません。
また、女性に多い骨粗鬆症にも薬はありますが、実は胃腸障害という副作用が起こることが多々あります。そのせいで食欲が落ちてしまって栄養状態が悪くなり、かえって骨折をしやすくなるというのは、高齢者を専門に診る医者の間では有名な話です。