社会で頑張っている元受刑者の存在を知ってほしい

──来年、デビューから25周年を迎えます。最後に今後の展望や目標を教えてください。

まなみ 私たちは地元である鳥取県の観光大使を務めているので、デビューから25周年目のタイミングには、地元の大きなホールでコンサートを開催したいですね。ファンクラブの中には、一般の方に加えて元受刑者の方もいらっしゃいます。ライブとかでファンの方が集う機会があると、なかには「かつて自分が刑務所に入っていた」ことをカミングアウトする場面もあるわけです。

今の世の中はまだまだ、前科がある人が暮らしていくのは一定の厳しい状況があるなかで、Paix²のファンはそうした人への理解があるんですよ。過去は罪を犯してしまったけれど、今は社会復帰して頑張っているのを認めてくれているわけですね。現状では、初犯の数が減少している一方で、再犯を犯す累犯者の数が増えている原因のひとつに「就職できないこと」が挙げられています。

私はPaix²の活動を通して、出所後にもがきながら頑張っている元受刑者の方がいることを世の中のもっと多くの人に知ってほしいなと思っています。

網走刑務所にて
網走刑務所にて
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めぐみ プリズンコンサートをやるようになって、デビュー前に私が想像していた以上のさまざまな結果を得られたと実感しています。今後も地道に活動していけば、新たな仕事との出会いやPaix²の方向性を決めるきっかけが見つかると信じています。これからも日々精進しながら、活動していきたいですね。

〈前編はこちら〉《前編》刑務所内でのライブは500回以上。受刑者のアイドル「Paix²(ぺぺ)」がプリズンコンサートで披露する唯一無二の音楽

取材・文/古田島大介 撮影/村井香