千代田区内の一軒家に住んでいたが…
今回の不正受給真っ只中の2022年9月18日の静岡新聞朝刊には、「日本の『だし』NYで 老舗水産仲卸 米国初の専門店」の見出しとともに、以下の記事が掲載されていた。
〈米ニューヨークで16日、日本料理に欠かせない「だし」を専門的に取り扱う店が開業した。日本産の天然魚介類などの乾物を用い、客の好みに応じ、だしパックを製造・販売する。和食が世界的な広がりを見せる中、だし文化の浸透を図るのが狙いで、こうした専門店は米国では初めてという。(略)今回が初の海外進出となった尾粂商店の5代目・加納史敏氏は「われわれの商品は日本産の素材で無添加であることが強み」と説明した〉
また、それに先立つ2021年11月4日の日刊スポーツには「世界初もんじゃ自販機」という見出しが踊った。以下に記事の抜粋をあげる。
〈世にも珍しいもんじゃの自販機は7月初旬、中央区月島3丁目のもんじゃ焼き店「月島もんじゃ おこげ 月島本店」を経営する加納コーポレーション(中央区)が、同店舗前に設置した。近所の住人を中心に「あれは何だ?」と話題になり、7月23日から「明太子もち」「五目」「いか墨」「豚キムチ」「海鮮カレー」の5種で販売をスタートした。(略)月島育ちの加納史敏社長は「東京名物と呼べるのはもんじゃぐらいなので、本当においしいもんじゃを提供したい」と語った〉
いずれの記事も今回のコロナ特例雇調金の虚偽申請をしていた時期と重なる。経営に行き詰まり、メディア発信に活路を見出そうとしていたのかもしれない。加納社長が2017年から昨年まで住んでいた千代田区内の一軒家の近隣に住む男性がこう語った。
「ああ、加納さんね。もう何年か前に引っ越しされてますよね。30代くらいのかわいらしいタイプの奥さんとお子さんが2人いましたね。加納さんも家の前で息子さんとサッカーをしたりして遊んでましたよ。本当は危ないからこの辺はサッカーしたらダメとは言われてたんだけどね(笑)。
挨拶をする程度の関係だったので、最初は何の仕事をしているとか話したことはなかったのですが、ふだんからラフな雰囲気の服装で、何か飲み屋でもやっているのかなと思っていました。そしたら屋上にお店ののれんを干していたことがあったんです」
この近隣住民の男性は、見覚えのあるもんじゃ焼き店のロゴを見て、インターネットで検索したところ、加納社長がホームページで大写しで紹介されていて驚いたという。
「ネットを見たら手広く商売されていてすごいなと思っていたんです。加納さんの家は賃貸だったと思いますが、月に100万円ほどの賃料でしたし、車もアルファードだったと思うけど、高級SUVに乗っていてお金に困っている様子にはまったく見えなかったですね。
コロナ時代はステイホームでしたから、その時期は加納さんが3度ほど外で車を洗っているのを見かけました。唯一言葉を交わしたのは、コロナの終盤のころ、ウチに間違って届けられた荷物を持って行ったときだけですね」