変形学生服のルーツはバンカラ

当時の変形制服カルチャーについて、ヤンキー評論家の岩橋健一郎氏(57)が解説する。

「変形学生服のルーツは1910年代に現れた“バンカラ”です。ハイカラに傾倒する世の中のアンチテーゼとして生まれた彼らは着古して、すり切れた粗末な学生服などを着て、“表面の姿かたちに惑わされず真理を追究すること”を標榜していました。

その後、70年代に荒れる学校が社会問題化して、バンカラに類似した服装のツッパリやヤンキーと呼ばれる不良少年が登場。

ただ、彼らはより派手な外見を求めたので、バンカラのような内面を重視する思想は失われていましたね」

暴走族時代の岩橋氏(本人提供)
暴走族時代の岩橋氏(本人提供)
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変形制服の最盛期を迎えたのが80年代だが、そのブームのきっかけは何だったのか。

「漫画『ビー・バップ・ハイスクール』(1983~2003年連載)の影響は大きかったと思います。作中にもボンタン狩りのシーンが描かれていて、それがリアルにも波及したのでしょう。

ただ、私が少年時代を過ごした横浜市鶴見区ではボンタン狩りに遭遇したことはありませんよ。

“学ラン狩り”ならありましたが。ちなみに当初は長ランとドカンが主流でしたが、機動力が低くケンカに向いていないため、機動性を重視した短ランやボンタンが生まれました」

とにかく制服のバリエーションが豊富だった80年代。学生服に関しては、間違いなく今より多様性があったのかも。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班