松井市長の“電飾決算”を明らかにしていきたい

――今回、松井市長の過去の疑惑をまとめた他人のYouTube動画をリツイートしたことで訴えられたわけですが、博士はこれを「スラップ訴訟」だとして、当選した際にはこれを禁ずる法案を作りたいと。

橋下氏も吉村氏も弁護士出身なので、これまでもスラップ訴訟を乱発していますが、権力者の私人に対する口封じやイジメをなくさないといけない。これは「反松井一郎法」と名付けてもいい。

裁判といえば6月3日にDHCテレビの『ニュース女子』問題(※)で東京高裁の判決が出ました。実はこの番組も『たかじんNOマネー』と同じ制作会社が関わっているんですが、テレビ局はほとんど報道しないから、この判決のことなんて誰も知らないですよね。

結局、裁判が長期化して、ブラックボックス化したら、それ自体がなかったことになってしまうんです。これは裁判制度の問題ですよ。だから僕は今回、担当弁護士の米山隆一さんに「俺自身はブラックボックス化しないからしゃべります」と言ったら、米山さんは「あなたがやりたいんだったらしょうがないけど、負ける確率は高まりますよ」と。

「維新の不正を暴いていきます!」水道橋博士、参院選出馬を激白_d

――しゃべることによって負ける確率が高まると。

裁判官に形成される心証というのは、騒ぐことによって悪くなるんだと。よく「係争中なのでコメントは控えさせていただきます」って聞くじゃないですか。あれは皆、裁判官の心証をよくするためにやっているんだそうです。

――つまりは印象論だと。

まさにそうです。でも負ける確率が高くなっても僕は本当のことを発信したい。芸人としての僕は偽悪の仮面をかぶっていますが、本当は真っ当な正義が好きなんです。だから維新とは徹底的に戦っていきますし、メディアがほとんど追及しない不正を暴いていきますよ。

例えば、大阪市は新型コロナウイルスの感染者情報共有システムへの入力作業を外部の業者に委託する際、契約書なしで約1億円の発注を口頭でやっている。松井市長は会見で「忙しくて先送りにしていた」と言っていますが、こんなの普通の企業なら絶対アウトでしょう。

さらに松井市長でいえば私用でスパに行くのに公用車を使い、電飾企業をファミリービジネスでやっている。通天閣をはじめとして大阪の電飾ってものすごいじゃないですか。僕はこの“電飾決算”も開示請求しようと思ってます。

後編に続く

取材・構成/木村元彦 撮影/苅部太郎

※2017年1月に東京MXテレビで放送された番組『ニュース女子』では、沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動の参加者を「テロリスト」などと表現。市民団体共同代表の辛淑玉(シン・スゴ)さんが、それを煽り、経済的に支援しているかのように伝えていた。これに対して辛さんが、制作会社のDHCテレビジョンなどに1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は6月3日、制作会社に対して550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた1審・東京地裁判決(2021年9月)を支持し、同社側の控訴を棄却した。同番組を巡っては、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が18年3月、辛さんへの人権侵害を認定。東京MXテレビが同年7月に謝罪していた。