答えは本ではなく、自分のなかに
てんしん書房の店主・中藤さんが今回の選書で意識したのは、「本のなかに答えを求めるのではなく、自分のなかに答えがあることに気づいてもらう」ことだという。
「こんな本、あるかな?」と思って、本を選ぶときには、「困りごとや悩みを解決してくれる本が読みたい」という期待を持ってしまいがちだ。自分の子どもに本を選ぶときも、「この子に良い影響を与えられる本を」という視点になることが多い。
しかし、よくよく考えてみれば、本からさまざまなヒントや知見、新たな価値観を得ることはできても、本そのものが「あなたにはこれが正解」という答えや道筋を示してくれるわけではない。
子どもでも大人でも、探し求める答えは、結局のところ「自分のなかにしかない」ということだろう。
そのことを念頭に置きつつ、ときには書店に足を運んで「こんな本あるかしら?」と訊ねてみてはいかがだろうか。
きっと、素敵な書店員との出会いや、インターネットやレビュー・口コミだけでは見つけられない、新たな本との出会いがあるはずだ。
取材協力
こどもの本屋 てんしん書房
http://tenshin-shobo.com/