Q.「木の生る本」ってあるかしら? 私は本が好きだから、本(の材料)になる木がたくさん生ったらいいな、と思って。(小3・女子)

コロナが消える本、迷ったときの本…こんな本あるかしら? 実在の「あるかしら書店」に子どもたちが聞いてみた_e
『としょかんねずみ』(ダニエル・カーク/作、わたなべてつた/訳・瑞雲舎)

「そのとおり、木が紙になり、紙が本になります。

でもじつは紙だけでは本にはなりません。そのほかに紙をとじるハリガネや接着剤、糸、糸につけるロウ、表紙の布、印刷するインク、しおりのレーヨン、汚れを防ぐ合成樹脂などなど、いろいろな材料が組み合わさって一冊の本になっているんです。

そして本を作るのに一番大事な材料が、その内容ですね。

書く人がいなければ本はできません。それに読んでくれる人が一人もいなければ、その本はあってもなくても同じになってしまいます。だから大きく考えると、本の作者も読者のあなたも「本がそこにあるために必要な材料」ということになります。

この『としょかんねずみ』の主人公・サムは図書館に住んでいるねずみ。サムは本を読むのが大好きで、やがて自分でもお話を書くようになります。そんなサムの書いた本は、図書館へやって来る子どもたちに大人気になり、またその子どもたちもお話を書きはじめます。

この物語のように本を書く人が多いと本が増えて、読む人も多いだけ本は増えます。

だから本をたくさん読んで、今度は自分も本を書く側になってください。あなたが書いた本を読んで、自分もやってみたいと思う人がでてくると、どんどんどんどん本が増えていきます。

「木の生る本」ではなく、ねずみ算式に「本の生る本」の紹介でした」(中藤さん)