母親は「最近、よく美奈子が風邪を引くのよ…」って…

そして、美奈子さんの突然死をめぐっても、関係者からは疑問の声が上がっていた。健一容疑者の父、Iさんの兄の妻(86)はこう証言していた。

ゴミ屋敷だった細谷家(知人提供)
ゴミ屋敷だった細谷家(知人提供)

「亡くなった美奈子ちゃんが生まれたばかりのころは、Iさんが革製品の会社を立ち上げたばかりで『忙しすぎて娘2人の面倒を見るのは無理だ』ってことで、美奈子ちゃんのことを2年ほどウチで預かっていたんですよ。大人しい子という印象です。

学校を卒業してからは生命保険の営業をやっていたんだけど、それを辞めて、たしかコンピュータ関係の仕事をしていたとも聞いてました。親戚から『美奈子ちゃんが亡くなった』と聞いたときにはビックリしたんですよ。ケンちゃん(健一容疑者)のお母さんのYさんやIさんと違って、入院しているわけでもなくいきなり倒れたみたいなので。

でも、美奈子ちゃんが亡くなる数ヶ月くらい前に、Yさんから『最近、よく美奈子が風邪を引くのよ』と聞いてましたね。もちろん美奈子ちゃんには持病もなかったので、不思議に思ってたんです。そしたらあんな感じで亡くなってしまって...」

Iさんの兄の妻は、さらにこう続けた。

「これは他の親戚に聞いた話なんだけど、美奈子ちゃんは部屋の入口のドア付近で倒れていたらしくて。そのちょっと前にお母さんのYさんは心不全で亡くなってたし、この時期、お父さんのIさんも血液系の難病で入院してたのよ。一番上のお姉ちゃんは若くしてお嫁に行ったから、実家を出ていた。

ニュースでも『姉も殺した可能性がある』と匂わせ報道してたけど、たしかに疑われても仕方ないよね。実際に、あの年には1年間の間にケンちゃんのお母さん、姉の美奈子ちゃん、お父さんの3人が立て続けに亡くなったんだから...」

志保容疑者(知人提供)
志保容疑者(知人提供)
すべての画像を見る

美奈子さん「殺害」の約1年後の2019年3月、両容疑者はささいなことからケンカ、志保容疑者は自宅ベランダに放火して逮捕され、美輝ちゃんを含めた子ども3人は東京都児童相談センターに保護された。

行政の介入によっていったんは「守られた命」を、志保容疑者が北海道に残っていた父親を呼び寄せ、監護者となってもらうことで「奪還」したにもかかわらず、過去に覚えた手口で摘み取った両容疑者。この二人を鬼畜の親と呼ばずして、なんと呼ぶのか。新たな局面を迎えた事件に、憤りしか感じられない。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

#1〈浅草・資産家夫婦が4歳児毒殺で逮捕〉「お父さんに言いつけてやる」と言い放ったボンボン息子は杜撰なホテル経営。その妻は放火にネグレクト、子どもは児相へ。姉は謎の死を遂げていた…
#2「ケン坊は志保の太客だった」「ガラスのコップを妻に投げつけられていた」親族が語ったボンボン息子とネグレクト妻への不信感「父親から結婚を大反対されていた」〈浅草・資産家夫婦が4歳児毒殺で逮捕〉
#3「ケンちゃんの姉は亡くなる3か月前から急によく“風邪”をひいていた」「倒れたのは実家の部屋のドア付近」親族が証言する謎すぎる姉の死「疑われても仕方ない…」〈浅草・資産家夫婦が4歳児毒殺で逮捕〉
#4「ケンちゃんは嫁のヒステリーがうつってしまったのか?」「父の葬儀でダンマリ、目もあわせなかった」親戚から総スカンの健一容疑者。無実を訴える弁護士は「優しい穏やかな人」と〈浅草・4歳児毒殺で両親逮捕〉
#5「ゴミ屋敷同然でネズミの糞だらけ」「室内には母の骨壺が放置…」ネグレクト母が借り続けていたアパートのヤバすぎる惨状とネコの行方の謎〈浅草・4歳児毒殺で夫婦逮捕〉
#6 「ケンちゃんにはお金を任せられない」金庫番の姉が懸念したボンボン夫は過去に自己破産も。「下着の組み合わせが気に入らない」と自宅に放火したヤバすぎる妻は我が子と母の骨壺もゴミと共に…〈浅草・4歳児殺害〉
#7「食器洗うとか無理、全員紙コップ紙皿使ってください」「美しい孫を産んでやったのだから子育てぐらい手伝え」逮捕された志保容疑者が父に送った逆切れ9000字LINE〈浅草・4歳児毒殺で逮捕〉