母親は警察車両のなかで“籠城”
夫婦は共謀して昨年3月、自宅マンションで保育園児の次女、美輝ちゃん(当時4歳)に有害な化学物質を摂取させて死なせた疑い。
美輝ちゃんは意識のない状態で自宅で倒れ、搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁が遺体を詳しく調べたところ、向精神薬「オランザピン」や車のエンジンの凍結防止用不凍液に含まれる「エチレングリコール」が検出されていた。また、2018年には健一容疑者の姉も不審死を遂げていたことがわかり、警視庁が関連を調べている。
容疑が事実なら毒親、いや鬼畜夫婦としか言いようがない。14日午前、2人の任意同行を待つ浅草署は物々しい雰囲気に包まれた。通りを挟んだ同署の裏口にカメラを構えた報道陣約20人が待機する中、午前9時50分、志保容疑者を乗せた捜査車両が入ってきた。
しかし、敷地内に入っても車から一向に降りてくる気配がなく、捜査員が「志保さん」と促しても、なかなか降りてこない。そのまま5分ほど経ち、別の捜査員が説得を試みるが不発。ここで署内から車イスが運ばれ、複数の女性捜査員に抱きかかえられるように、ようやく車イスに乗せられ、署内に入った。
白のダウンジャケットを膝にかけた志保容疑者は、うなだれた様子で視線をくれることなく報道陣の前を通り過ぎた。
続いて同10時21分、夫の健一容疑者を乗せた車が浅草警察署の裏口に入ってきた。妻とは対照的に特段ゴネる様子も見せず、捜査員に続いて車から降りてきた健一容疑者は短髪でメガネをかけ、カーキ色のダウンジャケットに紺色のズボンという服装。
恰幅がよく、報道陣を一瞬、睨みつけるような素振りを見せたが、落ち着いた足取りで署内に消えた。