丸坊主頭に銀縁眼鏡、黒のロングTシャツにグレーのスウェット姿
健一容疑者と妻の志保容疑者(37)は共謀して昨年3月中旬、次女の美輝ちゃん(当時4歳)に自宅で向精神薬オランザピンと不凍液に含まれるエチレングリコールを摂取させて殺害した疑いで、警視庁捜査1課浅草署捜査本部が今年2月に逮捕。
さらに捜査本部は3月6日、両容疑者が共謀して2018年4月ごろ、健一容疑者の姉の細谷美奈子さん(当時41歳)にエチレングリコールを摂取させ、同29日ごろに殺害した疑いで再逮捕した。
東京地検はこれを受け、両容疑者に刑事責任能力があるかどうかを判断するとして、精神疾患の有無を調べるための鑑定留置を請求、東京地裁が6月18日までの3ヶ月間の鑑定留置を決定していた。
東京地裁で9日午後に行われた鑑定留置理由開示公判では、健一容疑者は警察官2人に連れられて入廷。刈り上げたばかりと思しき丸坊主頭に銀縁眼鏡にマスクを着用していた。服装は、黒のロングTシャツにグレーのスウェット姿、茶色の簡素なサンダルを履いていた。
健一容疑者は傍聴席に座る記者らに視線を走らせ、弁護人側の席についた。
20人ほどの記者が傍聴席に陣取る中、健一容疑者の人定質問が始まった。女性判事の前に移動した健一容疑者はか細い声で氏名を名乗り、続いて問われた住所、職業に答えると再度、弁護人側の席に戻った。
裁判官が事件概要と鑑定留置にいたった根拠を述べ、娘である美輝ちゃん、姉の美奈子さんにエチレングリコールを摂取させ死に至らしめたという部分に話が及んだ際も、健一容疑者は特段表情を変えることはなかった。
裁判官は鑑定留置を認めた要因として、これまでの証拠や関係者からの聞き取りなどから健一容疑者に精神障害の可能性があり、事件事実にどのような影響を及ぼしたかを知るうえで、責任能力の有無や程度を確認する必要があると述べた。