野望は「300年ぶり!?の仏像ブーム復古」
――徳の高いお話の後に煩悩至極な質問で恐縮ですが、みほとけさんの理想の男性のタイプを教えてください。
頼りがいがあって、体が分厚く、周囲を圧倒する雰囲気を持った人が好きです。仏像にたとえるとしたら、京都・岩船寺(がんぜんじ)の「阿弥陀如来坐像」かな。思わず「参りました!」と言ってしまうような、優しさの中に厳しさを感じられるところがいいですよね。
――念願だった仏像本も刊行された今、今後の展望を教えてください。
江戸時代って、仏様にお参りするのが庶民のエンターテインメントのひとつとして日常に根づいていたんですよ。
「江戸名所図会」という、現代でいうところのガイドブックあるのですが、そこには江戸各地のお寺が描かれているんです。江戸の人々は日常的にお寺参りを楽しんで、参道のお茶菓子をいただきつつ、仏像談義に花を咲かせていたんだと思います。
――娯楽として仏像を身近に楽しんでいた、と。
きっと江戸時代の人々もただエンタメという側面でなく、仏像を通じて仏さまの心や、先祖、家族、友人との触れ合いに感動していたはずなんです。
だから私は、300年ぶりに仏像を「街の人気者」として広めていきたいです。いろんな人が集う場所としてお寺や仏像がもっと取り上げられて、SNSに仏像の写真や参拝の感想をシェアするようになってもいいですよね!
仏像に興味を持つことが、ひいてはいろんな人との交流に繋がれば素敵じゃないですか。その足がかりとして、まずはテレビで仏像専門番組を担当したい。最近、"面白カルチャー番組"が少なくなってきていますし。
――『ブラタモリ』も終わってしまいますね。
『ブラタモリ』が街歩きをしながら土地の歴史や地質的な特徴を深堀りしていくように、仏像やお寺を通してみえてくる発見もあるんです。
土地によって仏像の特徴も異なりますし、東京のような都会でも小さな地蔵堂がみつかることがある。仏像やお寺を詳しく調べると、「この土地は古くから山を信仰しているんだな」「この町には海の神様がいるんだな」といった、土着信仰や町の産業、政治的な役割までみえてくる。
なので、仏像カルチャー番組がやりたいですね……テレビ関係者の皆さま、ご連絡お待ちしてます!
取材・文/結城紫雄 撮影/松木宏祐