規格外の大仏、浅草に登場か!?

――推しの仏像が48体とのことですが、どのようにみほとけ48(仏像)は選ばれたのでしょう?

マニアックな仏像だけを紹介しても書籍に興味を持ってもらえません。なので、まず東大寺の大仏や興福寺「阿修羅(あしゅら)像」といった有名どころで読者の心をつかみ、読み終える頃には先ほど話した南禅寺のような、あまり知られていないけど素晴らしい仏様のもとまでいざないたいなと(笑)。

そもそも東大寺の大仏造立は、聖武天皇が指揮を執り、国を挙げて行なわれた一大プロジェクト。1300年もの間、日本全国の人々の思いをあの巨体で受け止めてきたわけですから、外すわけにはいきませんよね。

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――大仏造立は、当時の社会不安払拭の手段でもあったわけですよね。現代でも、コロナ禍や不況、自然災害などに際して「今こそ大仏を造立すべき」といったネットミームをしばしばみかけます。みほとけさんが大仏造立プロジェクトを任されたとしたら、どのような仏像を手がけたいですか?

現代の日本は政教分離。なので公費で造立するのは難しいですし、そのような予算があれば喫緊の問題解決のための予算や、仏像をはじめとする文化財の保存・修復費に充てるべきだと思います。

…という現実的な問題はさておき、私に大仏造立を任せていただけるとしたら、30メートルを超える「薬師如来坐像」を建てたいです。

――場所はどちらに?

東京スカイツリーの隣にしましょう。薬師如来は現世利益(今の苦しみを取り去ること)をしてくださり、どんな病気も治してくれる“医者の王様”みたいな仏様なんです。

多くの問題がある日本で、ぜひ皆さんに手を合わせてほしい仏様。スカイツリーのある台東区には、浅草寺の本尊の観音様をはじめとしたいろいろなお寺があって、古来より多くの人が手を合わせてきた地域なので、大仏との親和性も高いのではないでしょうか。