「確定申告ボイコット」の嵐。不支持率80%超えは1947年以来初
「#確定申告ボイコット」
そんなハッシュタグがSNS上で拡散したのは、確定申告が始まった2月16日前後。その直前の14日の衆院予算委員会では岸田文雄首相が「法令にのっとり適切に申告、納税を行うようお願いしたい」と述べたことで、ネット上では「自分たちは裏金をつくって、その分を納税していなかったのに、国民にだけ納税をさせるのか」と反発が強まった。
「私は会社勤めの傍ら、自分でも事業をしているので、e-Taxで確定申告をしましたが、入力した値が1円でもずれていると先に進めなかったりして、1日がかりでしたよ。裏金の使い道を『不明』で済ませている議員に怒りがわいてきました」(確定申告をすませた30代男性)
この前後に実施された報道各社の世論調査では、軒並み10%台~22%前半と、岸田政権発足以来の最低支持率を記録。とくに毎日新聞では不支持率が80%を超えており、これは毎日新聞が世論調査で内閣支持率を質問し始めた1947年7月以来、初だという。
そしてこの間、国民の怒りを買ってきたのが、裏金問題が取りざたされた議員について審査する政治倫理審査会への出席をめぐる自民党の対応だ。
野党側は、衆院政倫審では51人、参院政倫審では32人の出席を求めたが、これまでに出席の意向が示されたのは、安倍派の西村康稔・前経産相や高木毅・前国会対策委員長、二階派で事務総長を務めた武田良太氏など一部のみ。
2018~2022年の政治資金収支報告書の不記載額が2728万円にのぼった萩生田光一・前政調会長や、不記載額が3526万円の二階俊博元幹事長らは、現時点で出席しない見込みだ。
「表向きは、本人が出席する意向を示した場合のみ出席ということになっていますが、党執行部が『事務総長を務めていた人』などの基準で線引き。当初、出席に難色を示していた高木氏も直近まで事務総長を務めていたことから、しぶしぶ出席することになりました。
若手の中には、『政倫審に出席して堂々と説明したい』という議員もいますが、あまりに多くの議員が出席すると、何を言い出すかわからないリスクもあります。
検察審査会で今後、安倍派幹部らへの不起訴処分が妥当だったかの審査が見込まれる中、余計な発言で足元をすくわれることは避けたい自民党は、弁護士も交え、政倫審で何を話すか入念に準備しています」(全国紙政治部記者)