解散総選挙の可能性は低下
いずれにせよ、内閣支持率は下がっており、政権交代や解散総選挙を望む国民も一定数いる。まず解散総選挙の可能性について「私は以前『早期の解散もあり得る』と予想していました。しかし、年初に発生した能登半島地震に対応する必要が生まれました。
また、今国会の目玉である“共同親権の導入”という子どもやDV被害者にとってセンシティブな法案を通すことで、与党としての存在感を示そうと必死です。自民としてはしばらく解散は頭にないように思います」と予想。
「もし解散総選挙が実施された場合、自民が少し議席を減らすでしょう。立憲は微妙に議席を伸ばす程度で、政権交代を果たすことは難しいです。政権交代を果たすために今できることは、なんとか国民の期待感を集めるしかありません。とはいえ、支持者が失望することを繰り返しており容易ではないです。真面目にコツコツと政権批判を続けることに鉱脈があると思います」
優良な政策を掲げるだけでは支持されない
具体的に野党が期待感を持たせる方法はなんなのか。
「立憲や共産からは『いい政策を掲げ、発信を続ければ国民もわかってくれる』という認識が大きいように感じます。実際、掲げている政策は悪くありません。とはいえ、先述した通り、意識無意識にかかわらず少なくない国民が“偉そうかどうか”を大きな判断基準にしています。どれだけいい政策を掲げても大きなインパクトはありません。
自民や維新は優秀な選挙アドバイザーがおり、素晴らしい政策ではなく『どう次の選挙で勝つか』ばかりを考えています。立憲もそういったしたたかさを身に着け、イメージアップを図っていくしかない。選挙アドバイザーを雇ったり、SNS戦略に注力したりなど、これまでとは違うアプローチを実施しなければいけません」
いい政策を掲げたり、与党の問題点を指摘したりなどは野党として適切な動きである。ただ、今の立憲にとって、そういった野党が、本来“やるべきこと”をしているだけでは、泉代表が掲げる「政権交代」は成し遂げられない。もう少し“選挙に勝つ”ためにはどうすればいいか、ということにも目を向ける必要があるのかもしれない。
取材・文/望月悠木