サイゼリヤのパスタに思わぬ変化が・・・
客数の回復も顕著だ。2019年9-11月の客数は3800万人だった。2023年9-11月は4000万人で、6.7%増加している。なお、2019年11月末時点の国内の店舗数は1085、2023年11月末時点では1051だった。店舗は84店舗減少しているが、客数は増加しているのである。しかも、サイゼリヤは深夜帯の営業を廃止しているのだ。
24時間営業をやめることに批判的な声も大きかったが、経費削減・客数増という結果を目の当たりにすると、経営戦略においては優れた意思決定だったことがわかる。そしてサイゼリヤを語る上で外せないのが、客単価も上がっていることだ。2019年11月の729円から807円まで80円(1割)高くなっている。
値上げをしていないにもかかわらず、客単価が上がっているのは不思議な現象だが、消費動向を見ると納得ができる。下の表は、総務省の家計調査から2人以上の世帯の外食の支出額だ。2019年11月と2023年11月の月間の支出額を比較している。
外食の支出額はコロナ禍をきっかけに抑制されたと思われがちだが、結果はむしろ逆だ。飲食店での食事代は7%増加している。サイゼリヤが得意とするパスタなどの「他の麺類外食」は7.4%、洋食も1.6%高まった。