逃げて、叫んで、怒って、泣いて
──ホラー映画ならではの難しさはありましたか?
私は基本、逃げて、叫んで、怒って、泣いているキャラクターだったので、すべての感情表現に体力が必要で。今まで出演した作品の中で一番疲れました(笑)。
部屋のカーテンを剥がした瞬間、“何か”が現れる場面があるのですが、スタッフの方がだいぶこだわって作ってくれていて。何があるかを教えてもらっていなかったので、本番で初めて見た瞬間、それが何かを理解するよりも先に叫び声が出ていました。監督が演出を工夫してくださったおかげで、自分の想像を超える反応が出せたと思います。
──完成した作品を見た感想は?
すごくカオスでした(笑)。この映画を見て笑うとは思わなかったです。とにかく、おばあちゃんがおかしくて。
──食事中に突然、豚のように鼻を鳴らしたり、おじいちゃんの指をしゃぶったり、謎の行動が目立ちますよね。祖父母や両親が不思議な儀式を行うなど、奇妙なシーンも多かったです。
明らかにおかしい状況なのに、みんなが普通でいることの怖さがありますよね。こういう悪夢もあるなと思いました。共演したみなさんは演技経験のない方もたくさんいたのですが、撮影現場では「こうやったらもっとおかしいんじゃないか?」など、監督と一緒にアイデアを出していました。プロの役者が作り出す怖さではなく、自然とにじみ出る不気味さや怖さがあったと思います。
──もしも劇中のような状況に直面したら、演じた「孫」のように行動を起こすと思いますか?
できないです。ホラー映画のように安全圏から見るのは全然いい んですけど、自分が巻き込まれるのは嫌ですね(笑)。
──ちなみに、何度も登場する「幸せ?」という問いかけが不気味でした。古川さんは今、幸せですか?
はい! 幸せです(笑)。