「進化するボーカロイドの巻」(ジャンプ・コミックス第194巻収録)

今回は、ボカロが子どもの日常や教育現場に浸透している現状を描いたお話をお届けする。

両さんは、超神田寿司を営む擬宝珠(ぎぼし)家の次女・檸檬が携帯端末を使って漫画を描いているのを見て仰天する。そして、学校では子どものさまざまな可能性を広げるため、デジタルガジェットやアプリが当たり前のように使われていることを知ることに……。

2019年に文部科学省によって開始された、小学生にタブレット端末と高速の通信環境を与えて、授業のICT(情報通信技術)化を推す「GIGAスクール構想」は、あらかた導入期を終え、発展期に差しかかったと言ってよい。

第一、国の取り組みよりも前に、今の子どもは物心がつく以前から親のスマホで動画や音楽を浴びるようにして生活していたりする。それに現在は、両さんが予想したように、ボカロがいっそう日常に溶け込んでいる。「ボカロ曲チャート」専門番組があり、「小さい頃に好きだった思い出のボカロ曲」がある時代なのだ。

ボカロが世に登場したのは2004年。2014年に描かれた本作を読んだあとに、22年の年月を経たボカロの現在をチェックしてみてはいかがだろう。

なお本作と同年に『こち亀』作者の秋本治先生は、少女漫画誌「マーガレット」に、50年後の日本を舞台に、子どもの頃にボカロPをめざしていた少年を主人公にした読み切り作品『Vocalo−ボカロ−』を描いている。

ボカロの技術面よりもそれに慣れ親しんで育った世代の「思い出」を描いた逸品だ。いずれ、なんらかの形で読めるようにしてもらいたいと思う。

「マーガレット」2014年5号『Vocalo−ボカロ−』より
「マーガレット」2014年5号『Vocalo−ボカロ−』より

それでは次のページから、ボカロが浸透した日常を描いた一作をお楽しみください!!