警察は「個人的なトラブル」と説明も…
愛媛県警捜査1課は四国中央署に特捜本部を設置。逃げた男を住所不定、指定暴力団池田組幹部、前谷祐一郎容疑者(62)と特定して殺人容疑で全国に指名手配し、行方を追っている。
殺されたのは同市内在住の石川雄一郎さん(49)。事件現場の近くにある右翼団体代表とみられる人物で、前谷容疑者とは旧知の間柄だった。社会部デスクが解説する。
「2人はもともと同じ山口組系の3次団体に所属していましたが、本体の分裂騒動の影響で所属先も股割きになった。端折って説明すると、現在は独立組織である池田組は、出身母体は山口組2次団体の大石組(岡山市北区)で、2人はさらに大石組傘下の組で盃を交わす間柄だった。
2015年に六代目山口組の分裂騒動が起き、池田組が神戸山口組に移籍したのに伴って2人も池田組傘下にスライドした。しかし神戸山口組が事実上壊滅し、岡山県公安委員会が2021年に池田組を指定暴力団に認定。これに先立ち石川さんは六代目山口組傘下で四国中央市に本拠を置く組織に移籍、その後に籍を抜き、右翼団体のみで活動していたようだ」
一方の前谷容疑者は池田組に残り、ナンバー2の若頭として活動していた。暴力団に詳しい社会部記者が語る。
「シノギが上手な池田組は圧倒的な資金力で神戸山口組内でも存在感を放ち、いち早く独立すると、もう一つの分裂組織である絆會(旧任侠団体山口組)と正式な親戚関係を締結した。
2022年の10月には池田孝志組長が理髪店で山口組系傘下の組員に刃物で襲撃され、自宅付近でも池田組関係者の車両が銃撃されて特定抗争指定暴力団に指定されるなど、常に火種を抱えた組織です。警察は抗争ではなく個人的なトラブルだと説明していますが…」
理由はともあれ、大型商業施設のコーヒーショップで銃を使用されたのではたまらない。昨年5月には東京・町田駅近くの「ドトール」で、同じようなヤクザ者が関わったトラブルから銃撃で1人死亡した事件があったばかりだ。「今度はスタバかよ」と、利用者を戦慄させたことは想像に難くない。