ネット上では厳しすぎるのではないかという声も…
今年の4月、当時52歳だった野球部のコーチが寮の清掃時間に廊下で騒いでいた2年生の部員を指導した。その際、およそ1分間、廊下に正座させたことが不適切指導だったとされ、日本学生野球協会から3か月、広陵高校からは6か月の謹慎処分を言い渡されている。
不適切指導が発覚した経緯について広陵高校の支部長が説明する。
「8月20日に野球部員の1、2年生に対して部員の中で暴力やイジメについてのアンケート調査を行いました。このアンケートでは3年生が2年生に対して行なった最初の暴力事案に関わっていたかどうか、それからこの件に関わらず暴力やイジメを受けたり加担したことはあるか、またはそうした事をされている部員を見たり聞いたことがあるかなどを調査しました。しかし、いずれも『ある』という回答はありませんでした。
その翌日に個人で何か気になることがあれば言ってほしいとヒアリングをしました。ヒアリングは野球部と関係のない教頭や学年主任が行いましたが、そこで『正座をさせて指導しているのを見ましたよ』という目撃証言が出ました」
その後、目撃証言を元に、コーチと正座をさせられた生徒から事情を聞いたという。
「廊下で大声を出して騒いでいた部員に対し、『ちょっと落ちつけ。ちょっとここに座れ』と言って正座をさせたという説明を受けております。例えばですが、立ったままの指導ですとか、場所を移動して食堂などでお互い椅子に座っての指導が適切だったのではないかと思います」
この指導によりコーチは謹慎処分となったわけだが、ネット上では、この処分が厳しすぎるのではないかという声も散見される。
これに対し、広陵高校の支部長は、
「武道や茶道などでの礼節という意味での正座であれば礼儀の話だと思いますが、注意や指導をする上で正座をさせるというのは懲罰的な意味を含んでいるのではないかと。それで今回は不適切な指導だと学校としては捉えたということです。処分としては謹慎6か月です。
謹慎というのは野球部の指導ができないという事であり、学校の職員としては普通に勤務してもらうので給与が支払われないということはないです。甲子園を辞退したのが暴力事案がきっかけになっております。
これから学校ないしは野球部や寮内のルールを変えていこうという取り組みを行なっていくわけですが、やはり大きいのは暴力の根絶だと思っておりまして、その中でこういった事案が発覚したので学校の姿勢としても厳しい処分にするべきだ、となったわけです」
と回答した。