関係性への飢えは「宗教2世」という出自にあった

──関係性への欲がこれだけ強いのが全国No.1の所以な気がしますが、そのモチベーションはいったいどこから?

私は宗教2世として生まれたので、他の人よりも関係性に飢えてるのかもしれません。詳しくは言えないのですが、キリスト教が母体の新興宗教の信者の家庭で育ちました。資産に目に向けることはやましいし、競争もよくないと教えられ、いい大学に入っていい会社に勤めても評価してもらえない環境でした。

祝い事も駄目なのでクリスマスも誕生日も禁止だし、男女交際も禁止でした。神社・仏閣も禁止だから京都・奈良の修学旅行は一人でバス待機でした。学校の友達のことは好きで一緒にいる時間も楽しかったのですが、「友達はサタンだから仲よくするのはいけない」と家では教えられていました。私自身は、その宗教に対する信仰心は特にないのですが。

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学生時代のエピソードも多く語ってくれた

──信仰心はなくとも、宗教2世の環境で育ったことが、今のまりてんさんに影響を及ぼしているんですね。

はい。周りを見ても、私ほど他人との関係性に飢えてる人はあまりいないように思います。「世の中に馴染みたい」「サタン(友達)になりたい」という感覚がずっとあります。風俗でお客さんと過ごしていると、社会の一員になれてる感じがしてうれしいんです。

──特にどんなときにそう思いますか?

風俗ではなによりもピロートークが好きなんです。ピロートークは懺悔部屋だと思っています。高校生のころまでは、聖書のキレイな言葉の中で生きてきました。「隣人を愛せ」とか「裏切り者を許せ」とか。

でも、そうしたキレイな言葉では縁取ることができない矛盾を抱えているのが人間だと思っていて。例えば、学校で教頭先生をしているお客さんから「教頭先生なのに子供のことが嫌いなんだよね」とピロートークで打ち明けられたときとか、キレイな言葉には収まらないドロッとした人間臭さを感じられて、すごくうれしいんです。

──そうした関係性を求めるということであれば、必ずしも風俗でなくてもよい気もしますが、まりてんさんにとって、それはなぜ風俗なのでしょう?

人との距離が一番近いのが風俗だからじゃないですかね。本当は、なんでもいいのだと思います。風俗のほうが手っ取り早くない?ってだけなのかもしれません。現に、今は予約してくれたお客さんとベッドでプレイするよりも、ご飯を食べに行ってる回数のほうが多いくらいです。

──今回は風俗嬢として全国No.1になりましたが、今後はどうなっていきたいですか?

風俗嬢として働くのは近々終わりにするかもしれません。そろそろ子どもを生みたいな、と思うので。子どもが生まれたら、お客さんと一緒に育てていけたらなと思ってます。

──風俗嬢としての終わりを迎えても、今後も風俗業界とは何かしらで関わっていきたいということでしょうか?

そうですね。風俗業界は長く居続けている個人がほとんどいない世界なので、どんな形であれ、そこで継続して働いていける道を作れる人間でありたいなと思っています。

風俗業界の未来を明るく語って、次の現場へと向かっていった
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《前編》はこちら

#1 全国No.1風俗嬢になった、まりてんがビルから飛び降りようとした真相…

文/山下素童 写真/Keigo