ライティング、スピーキングでは効果あり?

では、英単語を書いて覚えることは非効率という指摘の是非についてだが、研究者としての森氏の見解を聞いた。

「TOEICや共通テストなどリーディング力やリスニング力のみが問われる試験においては、書いて覚えることはあまり効率的ではないかもしれません。

リーディングやリスニングは、受容活動といい、読んだり聞いたりするときに単語の意味さえわかれば十分ですので、書いて覚える必要はさほどありません。

ただしスピーキングやライティングは産出活動で、話したり書いたりするスキルを高める場合においては、実際に手を動かし単語の書き方を覚えることは有効。スピーキングのために書いて覚える必要があるのかと思うかもしれませんが、英単語の『つづり字』を書きながら実際に声にも出して覚えると、英単語の意味の理解をより深めることができるでしょう。

また近年はメールやチャットアプリでの英語のやりとりも増えてきており、実践的なコミュニケーションを取るうえでは、書いて覚えることは決して不要ではないと私は考えています」

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単語を書いて覚えること自体は無意味ではなく、むしろ言葉に対する理解が深まるということだろう。

「書いて覚えるという勉強法についての研究結果では、時間がかかりすぎるから非効率だという報告があった一方で、口に出して覚えるよりは効果的だと主張する研究者もいます。

私も一研究者として申せば、『音』と『文字』を結びつけるという行為は、相互補完的な学習になると考えています。読む、聞くための学習でも、書くことで単語に対する理解が深くなり、単語を覚える手助けとなる可能性があるからです」