中国人オーナーの店舗は依然高額

12月某日、再び黒門市場を訪れるとタラバガニは4足で1万5000円~1万9000円と、5ヶ月前の価格に比べるとかなり下がっていた。一方で、依然として高額な値段設定をつけている店舗もある。

ホタテは1個1500円、岩牡蠣1個1500円、タコ足1本1500円、神戸牛肉串1本3000円など、魚介類においては産地が記載されていない店も多いため、適正な相場はわからないが、日本人の感覚としてはおいそれと購入したくなる金額ではない。しかし、そういった店にも外国人観光客は大勢押し寄せていた。

この状況について、黒門市場の某老舗店舗の60代の男性はこう話す。

だいぶリーズナブルになったが、一部の店舗の料金設定はまだまだ高額だ(撮影/集英社オンライン)
だいぶリーズナブルになったが、一部の店舗の料金設定はまだまだ高額だ(撮影/集英社オンライン)

「たしかに最近はどこも『適正価格で商売していこう』という雰囲気になってるけど、それは昔からここで商売している人たちに限った話。インバウンド需要が高まってからオープンした店は中国人がオーナーのところがほとんどで、そういう店はいまだに値下げの動きは感じられないね」

それでも客足は途絶えないという。それはなぜか。

「ああいう店には、だいたい中国語を話せる店員がいてコミュニケーションが取りやすいのが理由だろうね。8月には福島第一原発の処理水問題があったから中国人観光客が来なくなっちゃうんじゃないかと心配してたんだけど、そんなのどこ吹く風。彼らは日本の海産物を『うまいうまい』と言って食べてるからね」(同)