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「自分のお小遣いで遊べない人は歌舞伎町に来ないで」と言われても…

毎年クリスマスシーズンになると、異様な盛り上がりを見せるという新宿・歌舞伎町のホストクラブ。しかし、今年はホスト絡みの”不祥事”があとを絶たない1年だった――。

相次ぐホストクラブのトラブルに際して今月13日には、新宿・歌舞伎町のホストクラブが来年4月をめどに「業界団体」を立ち上げて、売掛制度の撤廃や未成年の入店禁止などの自主規制に取り組んでいくことを明らかにした。さらにクリスマスを直前にひかえた19日には、新宿区の吉住健一区長が「自分のお小遣いで遊べない人は歌舞伎町に来ないで」と直訴、今まで以上に警戒を強めていた。

年末の歌舞伎町(撮影/集英社オンライン)
年末の歌舞伎町(撮影/集英社オンライン)
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クリスマスイブ前夜の23日の午後23時ごろ、取材班が歌舞伎町を訪れると、街はすでにかなりのにぎわいを見せていた。サンタのコスプレをしているガールズバーの女性店員や、サンタの帽子をかぶったキャバクラの男性店員が客引きを行なっている。

さらに、ホストクラブの電飾看板がズラリと並ぶ通りでは、黒いサンタの帽子をかぶったホストらしき男性たちが「初回無料ですけど、いかがですか?」と街行く女性に声をかけていた。

そのいっぽうで、ホストクラブのテナントが入った雑居ビルの一室からは、「ぐんぐん飲んで―! ヨイショ―! ヨイショ―!」といったシャンパンコールが漏れ聞こえてくる。ホストクラブの高額な売掛金(ツケ払い)が社会問題となるなか、当の本人たちはクリスマスにどっぷり浮かれているようだ。

呼び込みをする黒いサンタ帽の男(撮影/集英社オンライン)
呼び込みをする黒いサンタ帽の男(撮影/集英社オンライン)

この時期の店内の様子について、ホストクラブに15年以上通っているという30代・女性はこう語る。

「クリスマス営業の2日間は、担当ホストとのアフターを勝ち取るために、同担(同じ担当ホストをもつ女性客)同士の争いが勃発することも珍しくありません。こっちがシャンパンを入れたら、あっちも負けじとシャンパンを入れて、その日の売り上げを競い合うんです」

サンタの恰好をするホストクラブの店員 (撮影/集英社オンライン)
サンタの恰好をするホストクラブの店員 (撮影/集英社オンライン)

人気ホストが担当の場合、一本10万円ちかくするシャンパンを何本も頼み、ひと晩で100~200万円ほど使う女性客も少なくないというが、なぜそこまでアフターにこだわるのか。

「私たちのような”ホス狂”にとって、クリスマスの夜に担当ホストと過ごす以上の喜びはありません。だって恋人同士だってそうじゃないですか? 女の子はクリスマスの夜は好きな人と一緒にいたいんです。

だから姫(お客さん)によっては、シャンパンを入れたあとに『今日は担当(ホスト)の寝顔見られるかな~?』といったふうに、アフター狙いであることをわざと匂わせて同担の女性(同じホストを指名している女性)を煽ったりします。そうして勝てたとき(アフターが成功したとき)は脳汁がハンパないし、同担(の女性)が悔しそうにこっちを見てくるときの優越感もたまりません」(同)