「Alternate dimension 幻想絢爛」の成功体験を踏まえ、せきぐちはNFTアートを活用する様々なプロジェクトを立ち上げている。
その1つが「Crypto Zinja」だ。イメージとしては、京都・伏見稲荷大社にズラリと並ぶ、奉納した個人名や社名が刻まれた「千本鳥居」が、バーチャル上で再現されるといったところか。ヘッドマウントディスプレイを装着してCrypto Zinjaに入ると、その鳥居をくぐることもできる。
「メタバース空間にウェブからアクセスしたら誰でも入れる神社を建立して、メタバースの神社内にある鳥居に名前を刻む権利をNFTにしています。複数ある小さな鳥居は定額で権利を販売して、大きな鳥居についてはオークションで権利を購入できる方を決定しました」
このアイデアが浮かんだのは、2021年の年の瀬だったという。そこからブロックチェーンエンジニアとXRクリエイター、せきぐちがタッグを組みNFT化を進めた。その間、およそ3ヶ月ほど。短期間で出品にこぎつけたように見えるが、せきぐちからすると「もう遠い昔の話に感じる」という。それだけNFTの世界は変化が激しく、まさに加速度的に進化しているようだ。
Crypto Zinjaでは、NFTの落札や鳥居に名前を刻む権利の譲渡など通じて、当時のレートで約1,200万円ほどの流通が発生しているという。さらに、“Osaisen”というお布施も可能に。そのポテンシャルに着目した、現存する有名神社とのコラボレーションも決定しているというから驚きだ。