ブレイク前から年間300本以上のライブをしていたアリス

一方の谷村新司は、1948年大阪府出身。フォークグループのロック・キャンディーズを経て、1971年にアリスを結成。1975年の『今はもうだれも』でブレイクし、一躍人気グループとなる。

アリスはブレイク前からライブバンドとして全国津々浦々を周り、年間300本以上の公演を行った年もあるという。

1975年発売の『今はもうだれも』(東芝EMI)のジャケット。佐竹俊郎が結成したフォークグループ・ウッディ・ウーが1969年に出した曲をアリスがカバーした
1975年発売の『今はもうだれも』(東芝EMI)のジャケット。佐竹俊郎が結成したフォークグループ・ウッディ・ウーが1969年に出した曲をアリスがカバーした

また、谷村は単独で深夜ラジオ放送のパーソナリティを務め、そこでのあけすけで気さくなキャラクターが、高校生・大学生を中心に人気を集めた。
さらにはギターメーカーのCMに出演し、多くのギター少年を輩出。当時、アリスの曲でギターを覚えたという高校生は数多くいたものだ。

78年ごろから『冬の稲妻』『チャンピオン』などの大ヒットを連発し、この時期からテレビの歌番組にも頻繁に出演するようになる。学生に人気のライブバンドから、全国区の人気を獲得していったのだ。