「一般社会に出ることは逃げじゃない」

――実際、どのような就職先がありますか?

日本最大級のファッションイベントを開催している会社に入社した子がいます。ずっと恩返しをしたいと思っていた先輩をキャスティングして、一緒にお仕事ができたそうです。

あとは「自分は活躍できなかったけど、アイドルの気持ちがわかるし、男性スタッフに言えないことでも相談にのってあげられるような存在になって支えてあげたい」という想いからアイドルグループのマネージャーになった子もいます。
エンタメの裏方をやりたい子はけっこう多いですね。

――どのようなルートでDctさんに相談がくるのでしょうか?

個人で私のSNSやDctのホームページに連絡をくれる子もいますし、48グループの運営会社を通して連絡をいただくこともあります。

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連絡を受けたらまず面談をして、どのような第2の人生を送りたいかを聞きます。その後、3〜4ヶ月ほど就きたい仕事に必要なスキルをオンラインで勉強をしてもらいます。
基本的にはアイドルを卒業してから動き出しますが、卒業後すぐ働きたいという子は、運営やマネジメント会社に相談しつつ、在籍期間中にお仕事に影響がないようなかたちでプログラムを受けてもらうこともあります。

――Dctの収益構造は?

アイドルを育成しつつ、企業側には人材受け入れのための「採用コンサル」を提供しているかたちになります。

――今後の事業へのビジョンをお聞かせください。

私が芸能界を辞めるときに「人気がないから逃げたんだね」と言われたので、“一般社会に出ることは逃げじゃない”ということを後輩たちに広めたいです。

それに現状、元アイドルだけではなく、元子役や元芸人さんからの問い合わせもあるので、芸能界全体のセカンドキャリアについて考えていかなきゃいけないとも思ってます。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/小木寛一

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