岸田政権を待ち受ける“国民の審判”
そうならないためには早いうちに解散総選挙をし、内閣を一新するとともに、衆院選を総裁選から遠ざける必要があるわけだ。それならば、臨時国会で大型経済対策の裏打ちとなる補正予算を成立させ、国民の関心を集めた直後である、11月に解散してしまうのが一番いいと見られる。
冒頭に触れた怪文書にもあったように、現状の新大臣には不祥事や失言のリスクも伴う。不人気内閣となってしまったからには、とっとと解散してしまったほうがマシという考え方も根強いだろう。
だが、事がそう上手く運ぶとは限らない。
岸田首相が声高に宣伝している「減税」は主に企業が対象で、国民が実感できるものとは程遠く、「増税クソメガネ」のイメージ払拭するのも簡単ではない。
さらに10月22日には衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区で補欠選挙が予定されており、自民党が1つでも議席を落とすことになれば、自民党内での岸田首相の求心力が一気に低下し、解散どころではなくなる可能性も十分にある。
何より、補正予算成立後の解散には、岸田首相が「来年秋の総裁選で再選したい」という個人的な思惑しかない。それを見透かされれば、岸田政権には手痛い“国民の審判”が下ることになるだろう。
取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班