つまずく前に二度問いかけよう ~W 問いかけ法
伝え上手は、二度問いかける。
「つまり」という言葉をつねに頭のなかに置くことが、物事をわかりやすくひと言で
伝えるための法則ですが、「W問いかけ法」はその発展型です。
あなたが誰かに何かを伝えようとするとき、よほどの緊急事態でなければ多少の「間」があるはずです。そのときに二度、問いかけてほしいのです。
一度目は、「誰に、何を、なぜ伝えたいのか?」
二度目は、「つまり」こういう言葉なら伝わるはずだ。
解説すると、一度目の「誰に、何を、なぜ伝えたいのか?」は、
①自分の考えを整理する
②相手との「ゴール」を設定する
ためにする問いかけです。
そして二度目の「つまり」で、相手に伝えることを短くわかりやすい言葉で表現できるかを考えるわけです。
いわば、「つまりの法則」を、より効果的に使うための考え方です。
あなたは上司や先輩から、「頭のなかでしっかり考えてから発言しろ。思いついたことをすぐに吐き出すな」といったアドバイスを受けたことはありませんか? 私は山のようにあります。
アイデアならまだいいのですが、私には思いついたくだらないジョークでもすぐに言うクセがあり、空気を読まずにクライアントの前で発言してしまい、あとでこっぴどく叱られたことが何度もありました。
「思いついたことをすぐに吐き出すな」とは、いったいどういうことだろう? と、私なりに考えて導き出したのが、この法則です。
そして、会議の重い空気をなんとかしたい、クライアントとの距離を縮めたいという意図を表現したジョークがこちらです。
営業「今日のために徹夜で資料をつくりました」
クライアント「それはありがたいですが、寝なくて大丈夫ですか?」
営業「はい、ただ資料はここにありません」
クライアント「え、お持ちでない? なぜ……」
営業「はい、自宅で寝かせております」
このようなわかりやすいものであれば、相手も意図を感じてくれるでしょう。
あなたがジョークを言って「つまらない」と怒られたとしたら、それはきっと現代人の心が狭くなっているだけです。気にしないでください。