ウェルカムカードで、温泉は500円引きに

デュアルライフ民は純・村民と観光客の中間的な存在ですが、山中湖村ではそんなハーフポテトな俺たちの生活向上のため、申請すれば「ウェルカムカード」というものを発行してくれます。このカードを提示すれば、村営の様々な施設を村民待遇(無料もしくは半額以下)で利用することができます。

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2021年に発行したウェルカムカード

ウェルカムカードの恩恵をもっとも強く感じるのは、温泉に行くときです。村内には「紅富士の湯」と「石割の湯」というふたつの立派な村営温泉があり、我が家は季節を問わず頻繁に利用しています。両者とも大人の一般料金は900円。ところがウェルカムカードを提示すれば、同行者も含めて5名までは村民価格の500円で利用できるのです。温泉好きにとっては、これほどありがたいことはありません。

通常は600円の入場料がかかる山中湖花の都公園の入場料は100円に、入館料500円の三島由紀夫文学館(および併設の徳富蘇峰館)は無料。また、ウェルカムカードに伴って発行してもらえるパスカードを使えば、それらの施設の駐車場はすべてタダになります。数百円ずつの節約といえども、この2種のカードのおかげで行動範囲が随分と広がった気がします。

〝ウェルカムカード〟というのは、とてもいいネーミングだと思います。将来のデュアルライフを考えながらも、果たして地元から歓迎してもらえるのかと心配している人もいるでしょう。この際、断言しておきます。大丈夫ですよ、ウェルカムしてもらえます。

写真・文/佐藤誠二朗

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『山の家のスローバラード 東京⇔山中湖行ったり来たりのデュアルライフ』
佐藤誠二朗 (著)
「別荘所有者の納税は年5500円!?」 ぶっちゃけ山中湖で別荘生活をするとどれくらいのお金がかかるのか? デュアルライフのお財布事情_4
2023年11月15日発売
2200円(税込)
264ページ
ISBN:978-4991203923
東京で生まれ育ち、働き、家族をつくってきた筆者は、なぜデュアルライフ(二拠点生活)を始めたのか。東京と山中湖を行き来しながら暮らす日々を軽快に綴ったエッセイ集。コロナ禍を経て、新たな暮らし方を模索する全てのひと必読の書。

著者が山中湖村にある“山の家”を手ごろな価格で手に入れたのは2017年のこと。以来、東京の家との二拠点生活=デュアルライフがはじまる。コロナ禍で「この機会に景色のいいところに住んでみよう!」と思った人も少なくないはず。ここにはそんなデュアルライフのリアルが描かれている。
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