長く旅するためになるべく出費は抑えるが、
温泉だけはやめられない
2023年1月、真冬の車中泊旅。
確たる目的地を定めず、ただ西へと向かった行き当たりばったりな旅の道のりを、ざっとまとめると以下のようになる。
1日目 我が家のある山梨・山中湖村から出発。一路、静岡へ
2日目 静岡から愛知、岐阜を経由し滋賀・琵琶湖へ
3日目 滋賀・琵琶湖から京都、大阪。そして兵庫・淡路島へ
4日目 兵庫・淡路島から四国入り。徳島から高知へ
5日目 高知から北上して徳島に戻り、香川へ
6日目 香川から岡山を経て、兵庫・姫路へ
7日目 兵庫・姫路から、大阪を素通りして奈良へ
8日目 奈良の中心部から明日香村。そして三重へ
9日目 三重の伊勢・志摩を巡ったのち、愛知へ
10日目 愛知で午後まで過ごしたのち、静岡へ
11日目 静岡から我が家のある山梨・山中湖村へ
僕は車中泊の旅をするにあたり、公共交通機関を使わない、宿に泊まらない、高速道路を使わない、という三原則をみずからに課している(今回に限り4つめの「店で食事をしない」という臨時ルールもあるのだが、その話はまた別の機会に)。
しかし上記の行程を見ればわかる人にはわかるように、原則を守れない場面もあった。
本州・四国間の陸路は3つのルートで結ばれているが、車でそこを行く場合はいずれも有料区間を通らなければならず、「高速道路を使わない」というルールはクリアできないのである。
でも、まあ、そのへんはね。
あくまで“原則”なので、無理な場合はあっさりあきらめる。
いたってユルユルな、俺流ルールなのである。
自分の車で地べたを這うようにひた走り、行き着いた先で「今日はここまで」と、車中泊をする。
このスタイルの旅は大変経済的なので、いくらでも長旅ができるわけだが、ガソリン代以外の旅特有の出費が、毎日の入浴代である。
徹底的に旅の経費を抑えようとするなら、全国にチェーン展開しているネットカフェのシャワーを利用するという手があるので、僕も一応、ネカフェの会員登録だけはしている。
でも、これまでに東北を8泊9日で回ったときも、中部地方の山地帯を5泊6日で回ったときも、結局、旅情緒に欠けるネカフェのシャワーへは足が向かなかった。
日本には全国津々浦々に、必ずいい温泉があるのだ。
そのくらいは旅する者の贅沢として、楽しんでもバチは当たらないだろう。
まして今回は、酷寒の真冬旅。
熱い温泉に浸かることは何よりの楽しみとなり、毎日毎日、行き着いた先でせっせと検索しては、いそいそと温泉へ向かった。
10泊なので、訪れた温泉の数はちょうど10泉。
そのうち、特に良かったおすすめ温泉を、ランキング形式で発表しよう。