無人戦闘機の開発が進むアメリカ

「開発中の次世代戦闘機とF-35ステルス戦闘機、B-21新爆撃機を購入するだけでは空軍を維持できない。少なくとも1000機規模の戦闘機を手頃な価格で購入し、配備することが必要だ。CCA(Collaborative Combat Aircraft=有人戦闘機とともに戦う無人戦闘機)はそのために設計された」

ワシントンDCの「新アメリカ安全保障センター」で、米空軍のフランク・ケンドール長官がこう語ったと米軍事専門ニュースサイト「ザ・ウォーゾーン」が報じたのは11月13日のこと。

この長官発言は近い将来の米空軍のあるべき姿の“一里塚”を明確に示したものと言っても過言ではないだろう。ケンドール長官のCCAに関する主要な発言は以下のとおりだ。

AI無人戦闘機・MQ-28 ゴーストバット(手前)とステルス戦闘機F-22 ラプター(奥) (写真/USAF) 
AI無人戦闘機・MQ-28 ゴーストバット(手前)とステルス戦闘機F-22 ラプター(奥) (写真/USAF) 
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⦁ 現在、ロッキード・マーチン社製の改造されたAI搭載F-16(パイロットなし)を使った自律性開発と、ボーイングが進める同じくAI搭載のMQ-28ゴーストバットなどで有人機との運用をテスト実験中(上写真参照)である。

⦁ CCAは5年以内にできるだけ早く生産する。計画は1000機だが、それ以上になる可能性が非常に高い。

⦁ 予想コストはF-35戦闘機(A型からC型まで約85〜110億円)の「4分の1から3分の1」程度になる。

⦁ 有人戦闘機の前方もしくは随伴して飛行するため、作戦に合った航続距離とペイロード能力を持つドローンとなる。

⦁CCAは現在の戦闘機が搭載するシステムをフル装備するわけではない。ある機体は武器を搭載し、ある機体は偵察や索敵のセンサーなどの他のシステムを搭載する。

これまで米空軍幹部がCCAのコストや生産機数までを具体的に言及したことはなかった。すでにウクライナ戦争やガザ紛争などでドローンが数多く投入されているとはいえ、さらに一歩進んで、有人機とともに戦うAI搭載の無人戦闘機開発に意欲を燃やすケンドール長官の発言を聞き、SFではない現実味を感じるのは私だけだろうか?