“オリエンタル占星術”は、空海が日本に伝えた宿曜経をベースに、水晶玉子さんが編み出したオリジナルの占いです。長らく雑誌連載企画として愛されていた、“オリエンタル占星術”は書籍化もされて大ヒット。今年で8年目の刊行です。誕生日から割り出された27の「本命宿」別、366日の運気が丁寧に解説されているほか、1年、1か月の運気や時代の流れも伝授してくれる一冊です。2020年に世界が一変する未曾有の事態が起こってから、5年目を迎える2024年はどう生き抜けば良いのか。水晶さんにじっくりと伺いました。
聞き手・構成=芳麗/撮影= chihiro.
イラストレーション・星の子制作=カイフチエリ
2024年を
幸せに生きるために
―― 水晶さんは、2019年、「2020年は大きな崩壊と混乱が起こる」と予測されていて。実際にコロナ禍という未曾有の事態が起こりました。同時に、この事態がある程度、収まって出口が見えるのは24年頃ではないかとも。その24年がいよいよやってきます。
23年は時代の大きな曲がり角。古い時代のダメなものや悪いものが出てきて浄化される年でした。実際、芸能界の忖度がクローズアップされたりもしましたよね。そんな膿出し期間を経た24年は、新しい時代が始まります。とはいえ、変化の混乱の中で、やっと先が見えてきたくらい。十干占いでも、「甲辰」という新しいサイクルの始まりの年。社会も個人も変わらなきゃという勢いが生まれ、各分野で新しいものが動き出す年になると思います。
―― そんな年は、どんなことを心がければ開運に繫がるでしょうか。
まずは、一人一人が職人になること。大企業に入社したから老後は安心なんて時代はとうに終わっていますし。今後は、普通に会社に勤めていても満足の行くような稼ぎにはならないかもしれない。組織に属しても、その中の役割を通して、一人一人が自分の道を究めようとする生き方は、時代を問わず、そもそも人として大切なことだと思います。
―― どんな職人を目指すと良いでしょう。
何でもいいです。専業主婦の方なら家事の職人でいいし、得意なことを伸ばすのでもいい。自分がコレで生きていくと決めたら、その道で一人前の職人になるみたいな意識で生きていくのは、不安定な時代を生き抜く術にもなるんじゃないでしょうか。
―― 身も心も自分で支える術ですね。
そう。それから、来年は夢を見ることもポイント。しかも、今までにない、あり得ないほど大きな夢を見てください。
―― あり得ないほどの大きな夢……ですか?
はい(笑)。新しい時代の幕開けですしね。辰年の「辰」は十二支の中で、唯一、架空の動物でしょう。だから、夢見る年ですし、今までの現実を超えて神業のようなことも起きるかも。六十干支は60年サイクルですが、24年の60年前は初めての東京オリンピックの年。新幹線もできる、首都高もできる、海外から大勢の人が訪れる……と、もの凄い勢いで新しいものが誕生して、日本の国土が生まれ変わりました。初の東京オリンピックなんて、戦後20年ほどしか経っていないのに、あれほどの復興を遂げた。
―― まさに神業です。
ちなみに、さらにその60年前は、日露戦争の年です。当時、世界一のロシア艦隊に、日本軍が勝利しました。これもまた神業。「甲辰」の年に、日本が見た夢は結果はともかく、その後あるところまでは夢は叶っていますよね。
―― とても希望のあるお話です。ただ、個人として夢を描くとなると、なかなか大きくは描けないというか。自分に神業なんて起こせるだろうかと思ってしまいます。
最初は、小さな一歩でいいんです。起業でも趣味でも、自分が興味のあることを始めてみて。オリエンタル占星術では「鬼宿」という年ですが、インド名では「プシャ」といって、花を咲かせる滋養という意味があります。どんな大木も、一粒の種から小さな芽が出て葉っぱが出て花が咲いて、それを繰り返しているうちに壮大な木になっていく。考えてみると、それはもの凄く神秘的な力だし、神業の一つですよね。人間にも植物のようにしなやかに、どこまでも成長できる力があるはずですから。
―― まずは、種を蒔いて信じること。
はい。今はSNSもありますし、可能性は昔よりも広がっているはずです。来年は夢を見ること、何かしら新しいことを始めることが、この時代に乗るコツです。ただ、一つ覚えておいてほしいのは、“夢には期限があること”です。歴史や占いのサイクルで見れば、期限はおよそ、30年くらいです。1964年の東京オリンピックのころの夢が94年頃、バブルの崩壊と共に終わったように。どんな夢も必ず終わりがあるから、できれば、「古い夢よ、もう一度」ではない、新たな夢を描くことです。
―― なるほど。人生100年時代ですし、個人としても一つの仕事や夢を全うしたら、再び新たな夢を描くことが必要ですか?
そう思います。昔は会社員も55歳が定年だったけど、今、55歳なんてまだまだコレからの世代でしょう。中年以降の世代の方も、ぜひ大きな新しい夢を見てください。
―― 2023年版の中で、水晶さんは「何歳でも成長できると信じられる人が幸運を摑む」と語られていて、その言葉にも励まされました。
そうですよ。人は死ぬまで成長できますし、新たな夢を見るためにもぜひ、占いを活用してください。先ほどお伝えしたように、どんな神業も一粒の種から生まれる。千里の道も一歩から、まずは、今日一日を大切に生きることから始まるわけですから。毎日の占いのメッセージを参考にしていただけたらと思います。
―― それから、今年は、『『キングダム』占い』も発売されます。こちらは、仕事やビジネスにも活用できる一冊になっていますね。
オリエンタル占星術の27宿に、原泰久先生の漫画『キングダム』の主要な登場人物を当てはめさせていただいたんですけど。うまくはまって……原先生の多様な人物を書き分ける力はさすがだなと改めて感動しました。こちらは仕事運を厚めに解説していて、今後10年間の運気がわかる、出世すごろく10年運なんていうページもあります。開運には、今日一日を大切に生きると同時に、長期間の運気の流れを俯瞰して見ることも大事ですから。ぜひ、二冊あわせて楽しんでご活用いただけたらと思います。