これまで女性は「近づくな!」と怒鳴られていた

このような事情もあって、女性はこれまで厄除けの願いを書いた布を笹に結び、厄男に思いを託すだけだったという。しかし今年4月、その状況が変わった。権禰宜は続ける。

「過去に神男を務めた男たちによる『鉄鉾会(てっしょうかい)』というOB会があるんですが、今年4月ごろ、その会員の元に20~30人もの地元女性団体から『はだか祭りに参加したい』との申し出があったようなのです」

2015年3月3日撮影
2015年3月3日撮影

そこで神社は今月6日に行われた「国府宮はだか祭連絡会」の会合で祭りの女性参加を了承し、その報告をしたという。性差による区別をしない時代の流れでの決定だが、一方でこんな事情もあった。

「新型コロナ感染拡大防止のため、今年2月、3年ぶりに『もみ合い』が復活したのですが、裸男たちの数は1730人とかなり少なかったのです。来年はより盛り上がる祭りにしたいという思いもあって女性参加も了承いたしました。ただし、女性が男性と同じようなふんどし姿というわけにはいかないので、どのような服装で行うかは、今後協議していくことになると思います」

奉納に訪れる団体や地域の人たち。中には刺青の入った男たちも(2015年3月3日撮影)
奉納に訪れる団体や地域の人たち。中には刺青の入った男たちも(2015年3月3日撮影)
すべての画像を見る

今回の事実上の女性参加解禁について、地元住民はどう思っているのだろうか。国府宮駅近くで30年以上、喫茶店を経営する店長は言う。

「いいんじゃないの? 話題づくりにはちょうどいいし、これで見にくるお客さんもどっと増えるかもね」

同店のママも声を揃える。

「かつては祭り会場近くを通りかかるだけで『女は近づくな!』なんて言われたこともあったし、女性参加OKとなって喜ぶ方もいるんじゃない? ただ、荒っぽい方も多いから、トラブルが起きないように警察官を増やすなどの対策は必要でしょうね。私? 出たいなんて思ったことないよ!」