「私たちは売春婦とは違う、ダンスを売っている」

プライベートダンスとは、お客に指名されたダンサーがカーテンで仕切られた別室にて行う際どいダンスのことである。もちろんその近くでは、屈強なバウンサーが待機している。値段は10分で4000円ほど。中には10回で連続して買う猛者もいるという。

「私たちは売春婦とは違うの、きちんとダンスを売っているんだから」

そう言って彼女は再び舞台へと上がっていった。その後、ドリンクの注文を取りにきたボーイ【7】にも話を聞いてみた。どうやらトラブルもかなりあるようだ。

たとえば米兵が酔っているのをいいことに、女の子がプライベートダンスを多めに申告して法外な額をカード決済し後日トラブルになるケース。逆に、酔いから冷めた米兵が上司を伴いぼったくりにあったと難癖をつけてくるケースなどだ。

とはいえ、経営者もバウンサーも日本人なので、日本人相手なら悪くすることはない。興味を持った読者がいたらぜひとも行ってみてほしい。

《補注》
【1】ストリップ劇場

現在経営が続いている店は、全国に20店前後しかないと思われる。なお、都内には浅草や上野など数箇所に残っているようだ。

【2】ドリンク券
この店はワンドリンク付き。ビールなどのアルコール類も注文可能。

【3】全然レベルが違う
うまいのはアンジェリーナ。しかし、スポーツみたいであまりいやらしくない。日本人の踊り子さんの方が見ていて楽しかった。

【4】他のダンサーの国籍は様々
ダンサーは南米系であったりフィリピン人であったりと国際色豊か。どういう経緯で働いているのかは見当もつかないが。

【5】法外な金額ではない
ビール一杯500円ぐらいで、その他のドリンクも同様の値段だから安心してほしい。

【6】水着姿のダンサー達
ここでも、客はお気に入りのダンサーの水着に、1ドル札や5ドル札を挟んでいた。5人のダンサーが交代で踊っている。

【7】ボーイ
多少は警戒されたものの、「景気いいみたいじゃないですか」と軽口を叩くと苦笑いをして、「そうでもないですよ」と内情を語ってくれた。こういうボーイが案外裏話を教えてくれるから、興味がある人は女の子以外の従業員と話してみるのもおすすめだ。

#1 ラブホテル文化がきわめて進んでいる沖縄県でタイ人女性との出会いが急増中の理由

文/神里純平

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神里純平
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