チケットによる収入は2019年の1.5倍

コロナ禍から回復したとはいえ、テーマパークへの入園者数は完全回復にはいまだ遠い状態だ。2023年4月1日から9月30日までの入園者数は1250万人だった。これは2019年の同期間の8割にも届いていない。

各期上半期(4月1日から9月30日)の入園者数の推移(※決算説明資料より 筆者作成)
各期上半期(4月1日から9月30日)の入園者数の推移(※決算説明資料より 筆者作成)

しかし、入園客1人当たりの単価は急増した。2019年4月1日から9月30日までの1人当たりの平均単価は1万1504円。2023年同期間は1万6566円。約1.5倍も増加する結果となった。単価の内訳を見ると、チケット、商品販売、飲食販売のすべての項目で上昇している。なかでも単価の半分ほどを占めるチケットは、1.5倍となって値上がり率が最も高くなっている。

上半期1人当たりの売上高の内訳の推移(※決算説明資料より 筆者作成)
上半期1人当たりの売上高の内訳の推移(※決算説明資料より 筆者作成)

たとえば、1dayパスポートの料金は20年ほど前であれば、5000円台だった。実質賃金の上がらない日本において、チケットが1万円を超えるというのは割高に感じるかもしれない。しかし、オリエンタルランドには強気に値上げに踏み切ることができる理由があった。それは消費者意識の変化である外的要因と、東京ディズニーリゾートの内的要因の2つに見出すことができる。